研究課題/領域番号 |
21K04075
|
研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
桑原 敬司 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (50525574)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | バイオセンサ / バイポーラ電気化学 / インピーダンス / 走査測定 |
研究実績の概要 |
2021年度は,走査型測定装置の作製,その基本性能の評価,「走査」の課題の特定と改善,免疫反応の多検体連続検出に対する「走査」の有効性の評価を行った。 走査型測定装置は,測定時の機械ノイズの影響を勘案し,設計および作製した。走査にはxyz軸自動ステージを利用した。駆動電極を固定するための治具,電解槽の設置用ステージは,実際に駆動した際の状況を踏まえ数度,設計および作製を繰り返した。駆動電極は,基本性能の評価に向けて9種類作製した。測定装置はデータ取り込み速度を考慮し,新たに購入した。走査装置の基本性能の評価,再設計・作製を繰り返した結果,走査による機械ノイズは0.5%まで削減できた。使用するで駆動電極の形状により電気的なノイズが大きくなる傾向がみられたが,駆動電極の設計および測定時の設定を調整することで,抑制できることを確認した。また,走査測定により,基板上に作製したチオール単分子層の鎖長の違い(C3-18)の検出,たんぱく質の検出(150 nM-15000 nM),基板上での生体分子の結合の検出に成功した。まだ検討は必要であるが,現在のところ検出速度は0.89サンプル/sに達しており,今後,駆動電極や基板の形状を検討することで,最終目標とした100サンプル/min(1.67サンプル/s)は達成可能であると考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、当初の計画通り走査型測定用装置の作製を行い,その基本性能の評価やノイズの改善を実施した。また,「走査」導入の有効性の評価にも取り組んだ。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り,引き続き免疫反応の多検体連続検出に向けて,「走査」の有効性の評価や「走査」が及ぼす影響のメカニズムの解明と検出の高感度化・高速化に取り組む。
|