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2023 年度 実施状況報告書

バイポーラ電気化学に基づく走査型免疫センサによる迅速な多検体連続検出

研究課題

研究課題/領域番号 21K04075
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

桑原 敬司  長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (50525574)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードバイオセンサ / バイポーラ電気化学 / インピーダンス / 走査測定
研究実績の概要

2023年度は,バイポーラ電極の形状や測定溶液組成などの影響および引き続き増感材を利用した検出の高感度化に取り組んだ。
さまざまな形状のバイポーラ電極を作製し,走査測定への影響を検討したところ,予想通り駆動電極の大きさや配置に強く影響された。バイポーラ電極は小さく密に配置できた方が時間当たりの測定数の増加に有利であり,本検討から,駆動電極形状を指定することで,おおよその最大測定速度を見積もることが可能となった。また,走査速度そのものはノイズの発生などに影響を与えないものの,装置のサンプリング速度の限界により,データ点数が減少し,バイポーラ電極を小さくすることで,結果として感度が低下する傾向が見られた。装置内での測定データの処理速度が問題であり,現状他の装置を用いても改善は期待できない。駆動電極とバイポーラ電極間に形成される電界の状態は周囲の溶液の組成に影響を受ける。そこで,溶液の電解質濃度を変化させたところ,電解質濃度が低いほど検出感度が増加することがわかった。また,溶液の誘電率の変化を狙い,に有機溶媒を添加したところ,インピーダンス変化が生じる周波数帯が変化したが,検出感度の向上には貢献しなかった。昨年度行った磁性粒子による増感と同様にSi粒子を使用した増感を試みた結果,IgG検出を高感度化することに成功した。また,ペルオキシダーゼ担持抗体を利用した色素分子沈着による増感も試みた結果,インピーダンスに変化を生じさせることは可能であったが,色素の安定性が低く,再現性を得ることが難しいということがわかった。3種類の色素分子を用い,電極側の修飾法についても検討したがいずれも安定性を大幅に改善するには至らなかった。この増感法は生化学分析で利用される手法でありやや手間がかかるが,汎用性は高いことから,安定性の向上を目指し,今後も継続して検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

測定溶液や増感法を検討することに検出感度の向上に成功した。また,電極形状を検討し,走査測定法による最大測定速度を見積もる手法を明らかにした。

今後の研究の推進方策

測定に使用する計測装置の限界が本手法測定速度を律速することがわかったことから,今後は引き続き新たな増感法を検討しつつ,駆動電極やバイポーラ電極の形状,走査法を再検討することにより,より高速な測定が可能なのかを明らかにする。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 測定溶液の組成がバイポーラ現象を利用したバイオセンサの検出性能に及ぼす影響2024

    • 著者名/発表者名
      藤本啓吾, 栩木有理沙, 高橋青, 近藤みずき, 桑原 敬司
    • 学会等名
      第29回高専シンポジウム
  • [学会発表] バイポーラ現象を利用したワイヤレスバイオセンサによる生体反応の検出2023

    • 著者名/発表者名
      栩木有理沙, 高橋青, 近藤みずき, 桑原敬司
    • 学会等名
      第83回分析化学討論会
  • [学会発表] Scanning Biosensor Based on Bipolar Phenomenon for Rapid Analysis of Multiple Samples2023

    • 著者名/発表者名
      Arisa Tochigi, Jho Takahashi, Mizuki Kondo, Takashi Kuwahara
    • 学会等名
      The 13th SPSJ International Polymer Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] バイポーラ現象を利用したバイオセンサにおける増感法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      栩木有理沙,高橋青,藤本啓吾,近藤みずき,桑原敬司
    • 学会等名
      第9回 関東磐越地区化学技術フォーラム

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公開日: 2024-12-25  

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