研究課題/領域番号 |
21K04087
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
和田 篤 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 教授 (40434021)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 光ファイバ / ひずみ計測 / 温度計測 / 半導体レーザ / フーリエ変換 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ひずみと温度変化を同時に測定可能で、かつ、高速で高精度な測定が可能な光ファイバセンサを実現する事である。センシング素子として、高複屈折ファイバ上に低反射率光ファイバ・ブラッググレーティングFBGを2つ書き込むことで構成したファブリ・ペロー干渉計(FBG-FPI) を導入する事で高精度なひずみと温度の多点同時測定を、センサ応答の読み出しに半導体レーザの高速波長掃引を用いる事で高速な測定を実現する。 既に、高複屈折ファイバ上に構成した低反射率FBG-FPIを用いて温度とひずみの同時センシングを試みており、単点センサとして使用した場合は同等の条件で高反射率のFBG-FPIを使用した時よりも高精度な測定ができること、その一方で、設置する低反射率FBG-FPIを追加し、多点センサとして使用した場合は、計測点を数点増やしただけで測定精度が低下する事が分かっている。 今年度は、フーリエ変換によらないセンサ出力の解析方法として、多重回帰分析を用いる方法と機械学習を用いる手法を検討した。 多重回帰分析を用いる方法では、標本化した反射スペクトルを正弦関数自体を独立変数とした重回帰モデルと捉え、回帰係数を推定して位相情報を得る。この手法では、フーリエ変換を用いた解析では分離不可能な近接した周波数の正弦関数を分離可能である。実際にこの手法を用いて固体振動測定の実験を行い、振動検出が可能である事を確認した。 機械学習を用いる手法ではニューラルネットワークを採用し、実験条件を再現したシミュレーションデータを学習させた。機械学習を用いれば、光源の波長掃引の非線形性や強度の変動に対処する為の数値補正に頼らずとも高精度な位相推定が行える可能性がある。現在、概ね妥当な位相推定結果が得られているが、実用には推定精度を更に向上させ、学習データを実際に実験で得られるデータに近づける必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析方法の検討が進み、これまでの限界を超える結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
解析方法の検討を更に進める。また、計測システムの物理構成における測定誤差の主要因について検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由の一つは、購入を検討していた器材において、コロナ過等を理由とする部材供給の不安定化が解消しておらず、実質的に購入不能であったことである。 使用計画は器材購入と学会参加費である。
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