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2023 年度 実績報告書

光ポンピングスピン偏極原子のベクトルポテンシャル変調

研究課題

研究課題/領域番号 21K04089
研究機関岩手大学

研究代表者

大坊 真洋  岩手大学, 理工学部, 教授 (20344616)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードベクトルポテンシャル / コイル / トランス / 電磁結合
研究実績の概要

アハラノフ・ボーム効果により、その場所に磁界が無くても、電子波の位相を変化させることができることから、ベクトルポテンシャルは量子力学において重要な役割を担っている。二重入れ子構造のベクトルポテンシャルコイルを原子磁力計に組み込み、ベクトルポテンシャルを印加したときの信号の変化を調べ、ベク トルポテンシャル計測器の実現を目指した。我々は、均一なベクトルポテンシャルと磁場の両方を発生できるヘルムホルツ型のコイルを数値シミュレーションによって設計した。そのコイルを製作し、原子磁力計に組み込んだ。磁場またはベクトルポテンシャルを原子磁力計に印加した時の交流周波数特性を比較したところ、磁場応答が周波数の増加とともに減少するのに対し、ベクトルポテンシャル応答はその逆であった。磁場とベクトルポテンシャルは全く異なる周波数応答を示しており、ベクトルポテンシャルの実験に漏洩磁場が混入したとしても、主因にはならない。このことから、原子磁力計によって、交流のベクトルポテンシャルを磁場と区別して計測できることを初めて実証した。 さらに、ベクトルポテンシャルの高い透過性を示すために、二重半円形の超伝導ベクトルポテンシャルコイルを作成した。鉛チューブの中にベクトルポテンシャ ルコイルを封入し、磁束が外部に漏れないようにした。さらにベクトルポテンシャルコイルのコアに異なる透磁率の材料を使用して、コア内に発生する磁束を変化させた。二次コイルも鉛チューブの中に封入し、二次コイルのループ内に磁束が存在しないような構造のトランスを作成して、4.2 Kで1次側と2次側の結合を調べた。コアの透磁率には影響を受けず、周波数に比例する結合が観測された。このことから超伝導でも遮ることのできないベクトルポテンシャルによる結合があることを実証した。
また、絶対値だけでなく相対的な勾配も測定する4チャンネルシステムも構築した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Differential behavior of magnetic field and magnetic vector potential in an optically pumped Rb atomic magnetometer2023

    • 著者名/発表者名
      Shoji Y.、Daibo M.
    • 雑誌名

      AIP Advances

      巻: 13 ページ: 1-6

    • DOI

      10.1063/5.0130481

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Vector Potential Coupling From Outside the Loop Through the Superconducting Shield2023

    • 著者名/発表者名
      Daibo Masahiro
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Applied Superconductivity

      巻: 33 ページ: 1~5

    • DOI

      10.1109/TASC.2023.3258371

    • 査読あり
  • [学会発表] 光ポンピング磁力計を用いた単セルグラジオメーター2024

    • 著者名/発表者名
      寺戸貴俊、大坊真洋
    • 学会等名
      令和6年東北地区若手研究者研究発表会
  • [学会発表] 差動型原子磁力計を用いた磁気傾斜計の開発2023

    • 著者名/発表者名
      寺戸貴俊,大坊真洋
    • 学会等名
      2023年応用物理学会東北支部第78回学術講演会
  • [産業財産権] インプランタブルデバイスシステム2024

    • 発明者名
      大坊真洋他
    • 権利者名
      スミダコーポレーション株式会社、国立大学法人岩手大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2024-036873
  • [産業財産権] ベクトルポテンシャルコイル装置、ベクトルポテンシ ャル発生装置、および治療装置2023

    • 発明者名
      大坊真洋他
    • 権利者名
      スミダコーポレーション株式会社、国立大学法人岩手大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2023/030578
    • 外国

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公開日: 2024-12-25  

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