近年MEMSタイプのデジタル出力型加速度センサの低ノイズ化が進展しているため、微小振動を用いた三軸加速度センサの評価技術が重要となってくる。そのため、レーザ干渉計の信号収録装置やプログラムを改良し、ノイズレベルを10^-13 m/rtHzまで低減することで、微小振動で当該加速度センサを評価することを可能とした。また、これまでホプキンソン棒に対して、金属の飛翔体を衝突させていたが、積層型圧電素子を用いた電気的な加振方法へ変更することで、再現性高く微小振動の発生機構を開発した。デジタル出力の方式として、SPIおよびI2Cが主流であるため、SPIのデジタル信号を収録するモジュールと振動変位を計測するレーザ干渉信号を収録するモジュールの同期計測を可能とし、デジタル出力型加速度センサの感度だけでなく、位相シフトも評価可能なシステムを製作した。 また、三台のヘテロダイン式レーザ干渉計の応答性能を独自方式により評価したことで、三方向の振動変位を同期して計測することを可能にした。ヘテロダイン式レーザ干渉計と組み合わされたアナログ復調器を光励振で校正する技術も開発したことにより、レーザドップラ振動計の速度信号を絶対値と対応付けることで高価な高速デジタイザを不要にした。直交する三軸方向の振動変位と三軸加速度センサの出力信号を対応させるように、行列演算を伴った三軸加速度センサの評価プログラムを製作したことで、三軸加速度センサを評価可能な環境を構築した。
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