研究課題/領域番号 |
21K04107
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
和田 孝之 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (60599207)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 制御工学 / 数理工学 / アルゴリズム / ディペンダビリティ |
研究実績の概要 |
本研究課題では人を含む制御システムを対象にし,情報システムとしての性格を有するようになった制御システムには,信頼性,完全性,安全性,可用性,保全性からなる頑健さの指標(ディペンダビリティ)を備えるべきであるという考えのもと,複数の意思決定主体が存在する制御系に着目し,1) 協力する・協力しないという関係性はどこからくるのか,2)インタラクションが存在する場合のディペンダビリティとは何か,3) データに基づくディペンダビリティの実現手法(どのように制御を行えば,ディペンダビリティを保証可能か)を検討することを目標としている. 研究初年度である本年度は,2)インタラクションが存在する場合のディペンダビリティ,3) データに基づくディペンダビリティの実現手法について検討を行った.2) については,制御系に存在する各意思決定主体が他の意思決定主体が加えた制御入力から受ける影響を考慮し,制御系のもつ制約を違反しないよう制御を行う方法について検討を行った.本研究は項目1)についても示唆を与えている.実際,各時刻において意思決定主体が協力するか・協力しないかを決定している.制御対象の状態が原点に近づくと,それほど大きな制御入力を必要としなくなるため,協力せずとも十分な性能が得られる問題になっているが,周りの意思決定主体の行動がわからない場合は,そのような局面でも各意思決定主体は完全に独立して動作するような状況はおこらなかった.3) については,機会制約問題というある確率で制約条件を満足する解を求める最適化問題について,解が存在しないことを調べるという問題を設定し,問題について得られる部分的なデータから解がないことを調べる方法について検討を行った.また,研究提案に記載したテーマ,マルチエージェント系における評価関数の設計についても研究を論文としてまとめることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初設定した各テーマに対して,進展が見られること,また,新たな研究テーマも見つかりつつあるため,おおむね順調であると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
研究進捗はおおむね順調であり,設定した各テーマについて,さらに研究を進めていく予定である.また,本年度の成果を学会で発表し,フィードバックを得たい.
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は,物品費を多く計上し,研究用の計算機を購入する計画であったが,新型コロナによる品薄等の影響を受けて計画通りに執行できなかった.次年度には執行したい.
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