これまで人間の戦略的行動選択と情報の関係を扱った社会学的・経済学的システムにおいて,メモリの概念を導入し,特徴的な「情報の非対称性」を陽に考慮し,動的システムモデルの構築・解析とそのモデルにおける戦略立案の手法を開発したところにある.特に,従来のゲーム理論を動的システムとしてそれぞれ静的モデルとの類似性を同定し,これまでのマルチエージェント理論で得られている知見を適用可能にした.また,動的ネットワークモデルに対して制御則を陽に導出し定式化することにより,ミクロ的振る舞いである戦略的行動をマクロモデルの中で特徴付け,ミクロとマクロモデルの融合問題に対する制御論的解釈を提示することができる.
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