研究課題
基盤研究(C)
本研究課題では,従来のスライディングモード制御を拡張した考え方にもとづき,制御ループ内で物理量に制限を設けて制御ループを安定化するための数学的な基盤が得られた.そして,この手法をロボットの力制御則の構築に適用し,無駄時間を含む商用の位置・速度指令型のロボットにおいて,安定した接触力制御を実現できた.またこれに付随して,位置指令型の天井クレーンシステムを安定化する手法や,多くの位置指令型ロボットが持つ歯車減速機付き駆動関節をモデル化する手法も新たに得られた.
ロボット制御工学
本研究課題では,制御ループ内で物理量に制限を設けて制御ループを安定化するための数学的な基盤が得られた.ここで得られた制御技術は,時間遅れのある位置指令型のロボティクス・メカトロニクス機器全般で安全な挙動や安全な接触力制御を実現するための基礎技術になると期待できる.特に,位置・速度・加速度・躍度に対して整合性を失わないように明示的に上限を設ける手法は,制御機器の安全性や安定性の向上に大きく寄与すると考えられる.