高配向CNT結晶膜で明らかにするCNT-Siヘテロ接合太陽電池の発電メカニズム

2023 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21K04141
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分21050:電気電子材料工学関連
• 研究機関: 旭川工業高等専門学校
• 研究代表者: 中村 基訓 旭川工業高等専門学校, システム制御情報工学科, 教授 (50435963)
• 研究期間 (年度): 2021-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: CNT-Siヘテロ接合太陽電池 / カーボンナノチューブ / CNT配向膜

研究成果の概要

本研究では，高密度・高配向CNT膜（CNT結晶膜）を成膜し，CNT-Siヘテロ接合太陽電池へ応用した．様々な配向度を持つCNT薄膜を準備し，それらを用いて太陽電池デバイスの試作および発電特性を評価した．入射光として直線偏光を用いることで配向CNT層で光を選択的に吸収できる特徴を積極的に利用し，CNT-Si太陽電池の発電メカニズムについて調査した．結果として，CNT層で吸収された光は太陽電池デバイスにおける光電流への寄与が小さく，ショットキ接合による電荷分離が支配的であることが確認できた．

自由記述の分野

電子デバイス

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では，CNT-Siヘテロ接合太陽電池のCNT層として，高密度・高配向CNT膜を適用し，CNT層に選択的に光を吸収させることで，今まで多くの研究者により議論されてきたCNT-Si太陽電池の発電メカニズムを明らかにした点に大きな学術的な意義がある．CNT配向膜と本研究で考案した評価法を用いれば，他の様々な種類のCNT-Si太陽電池についても発電メカニズムの検証ができる．現在主流である結晶Siによる太陽電池に代わる新たなデバイスに位置づけられるためには，その発電メカニズムの解明が必須であり，本研究の成果が再生可能エネルギー利用促進の面においても，大きな意義を有している．