研究課題/領域番号 |
21K04147
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山田 永 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (60644432)
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研究分担者 |
熊谷 直人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (40732152)
山田 寿一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, ラボ研究主幹 (20358261)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 六方晶窒化ホウ素 / AlGaN / UV-LED / ジボラン / 歪み緩和 / 光反射 |
研究実績の概要 |
本研究は紫外光域の高輝度光源実現のため、六方晶窒化ホウ素(h-BN)を用いたトップエミッション型AlGaN系LED構造をMOCVDで一貫成長にて行うことを特徴とする。現状AlGaN系LEDは4つの課題(格子整合する基板が存在しない、正孔注入効率が低い、電子オーバーフロー、低Al組成AlGaNやGaNに吸収される)がある。本研究はAlGaN歪み緩和・光反射超格子層およびAlGaNとの正孔障壁が低いh-BN正孔注入層を用いることでこれら課題の解決を目指している。AlGaN発光層は歪みが緩和され、発光層から下面に発光した光は光反射層で上面に反射され、上面に発光した光はバンドギャップが大きいh-BNを透過する。これらをMOCVD一貫成長にて行うことで急峻な界面と残留不純物の低減が可能となるため高効率LEDの実現が期待できる。 2022年度は既に確立したAlGaN歪み緩和・光反射層上にLED活性層となるAlGaN/AlGaN-MQWsの成膜を行った。MQWsの構造としてAl組成、膜厚、周期数を変化させ、表面モフォロジー、歪み緩和率、発光特性をAFM、XRD逆格子マップ、およびPL測定により測定した。その結果、室温で光反射波長(270-290nm)に対応するPL発光が得られ、半値幅は7nmであった。また、h-BN膜をMQWs上に1300℃以上の高温で同一MOCVD装置にて連続成膜を行い、MQWsの発光が消失しないことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終目標である六方晶窒化ホウ素(h-BN)を用いたトップエミッション型AlGaN系LED構造に向けて、最終LED構造となるAlGaN歪み緩和・光反射層、LED活性層、h-BNの成膜まで完了した。
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今後の研究の推進方策 |
h-BN正孔注入層実現に向けて正孔として期待されるMgドーピングを行い残留不純物を含めた定量分析を行う。最終LED構造のデバイス試作および特性把握を行うと共にMQWsの発光効率測定を行う。
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