研究課題/領域番号 |
21K04180
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
水田 敬 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (10336323)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ベーパーチャンバー / 伝熱特性 / 温度平滑化 |
研究実績の概要 |
昨年度行った研究開発をさらに進展させるために、コンピューターシミュレーション法であるVOF法(Volume of Fluid)を用いた数値的検討と、現有装置である3Dプリンター(Form 3)により作製した試作サンプルを用いた実験的研究を実施し、冷媒循環特性に影響を与える因子の検討を行った。 本年度は、昨年度選定した「リジッド4Kレジン」、「リジッド10Kレジン」に加えて、可視化用に「クリアレジン」を組み合わせてサンプル作製を行った。 可視化結果とVOF法によるシミュレーション結果とを比較し、流動特性に影響を与える因子の特定を行うとともに、流動特性に関する設計モデルの構築を行った。具体的には、流路幅と流路深さ加えて、流路の配置が非常に大きな影響を与えることを明らかにし、それらの影響について定量的に予測できるモデルの構築を行った。 また、試作サンプルについては、可視化用サンプルに加えて、伝熱特性確認用サンプルの制作も行い、冷媒封入条件が伝熱特性に与える影響について検討を行った。実験としては、現有の伝熱特性評価装置を用い、サーモカメラによる表面温度分布測定結果などを用いて、独自開発の手法(Applied Thermal Engineering, 146 (2019)843-853)掲載)により、熱伝導率推定を行った。その結果、いずれも十分な伝熱特性を発揮し、設計モデルが妥当であることがわかった。さらに、冷媒封入量に応じて最大熱輸送量が変化することを明らかにし、最適な冷媒封入条件に関する基礎的知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度においては、令和3年度の成果をもとに、より発展的な検討を行った結果、シミュレーションと実験が双方矛盾なく妥当な結果を示すことを明らかにし、また、内部流路に関する設計モデルの構築を行い、内部構造に関してより広範囲に適用できる手法を確立した。 さらに、伝熱特性評価用の試作サンプルについては、独自に開発した熱伝導率評価手法(Applied Thermal Engineering, 146 (2019)843-853)掲載)を用いて熱伝導率を求めたところ、従来型積層型ベーパーチャンバーと同等以上の伝熱性能を、今回開発した従来比で遥に薄い新規内部形状にて達成したことが明らかとなり、令和4年度に計画していた項目を完遂することが出来た。 以上より、令和4年度の研究状況は、想定していた研究計画に対しておおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度においては、令和4年度までの研究成果をもとにより一層性能向上について研究開発を実施するとともに、特許出願や論文執筆を行い、研究開発成果を社会に還元する。 具体的には、9月に開催される国際学会への登壇(決定)に加え、複数回の国内学会への登壇を予定している。また、特許出願についても、複数件を予定している。論文については、Applied Thermal Engineeringをはじめとした伝熱系の国際的な学会誌への投稿を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入に際し、単価が大きな物品が多かったため、3,649円の執行残が生じた。なお、令和5年度は最終年度であるため、最終的に執行残が生じない様、執行予定である。
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