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2021 年度 実施状況報告書

細胞分析デバイスよる細胞外シグナルの計測およびその細胞の未来予測

研究課題

研究課題/領域番号 21K04194
研究機関大阪大学

研究代表者

中島 義賢  大阪大学, ナノサイエンスデザイン教育研究センター, 特任准教授(常勤) (40408993)

研究分担者 酒井 政道  埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (40192588)
水木 徹  東洋大学, バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター, 研究助手 (80408997)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード電気信号 / グルコース消費 / 乳酸産出 / 老化細胞
研究実績の概要

細胞の状態が時々刻々変化していく様子を「電気信号」によって調べることができれば、薬への細胞の感受性、投薬のタイミング、投薬効果の増強、または、副作用の軽減に関する薬学・医学的研究への貢献につながると考え、そのためのデバイス作成を試みている。
これまでは、細胞表面の表面電位の変化により泳動速度が変化することを利用した電気泳動コールター法を提案してきた。今回は、細胞から外部へ放出される情報を分析できることを目的としている。
初年度は、正常細胞と老化細胞の間でのグルコース消費と乳酸産出についてを調べた。今回用いた細胞は、継代回数の少ない正常細胞から継代回数を徐々に増やし、総継代数の異なるいくつかの細胞を作成した。これらの細胞で、ミトコンドリアの活性の低下とそれによる嫌気的解糖により、グルコース消費と乳酸産出が共に徐々に増大していく傾向がみられ、細胞状態の評価を行い、老化細胞の特徴が確認できた。乳酸(イオン)産出時には、溶液中にプロトン(H+)が放出されている。次の段階として、単一細胞が周辺環境へ放出するプロトン量、または、それにより生じる局所領域のpHの変化を検出することが可能かを試みるためのデバイス作成を開始している。水素ガスをPt電極上で電離させ、その時に生じたプロトンを取り込むことができる材料があり、その候補の中から、細胞培養液の中にあっても期待した材料特性が得られるかについて評価を行っているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

計測環境を整備することを検討していたが、計測機の納期が半導体不足により長期になっていて、初年度に準備できなたった。
また、共同研究先へ出向いての、SASP(老化関連液性因子)のサイトカイン(IL6,8)が正常細胞に与える影響についての準備実験を予定していたが、オミクロン株の流行によりできなかった。以上のことから、当初の予定より、やや遅れている。

今後の研究の推進方策

プロトンを取り込むことができる材料を用いた分析デバイスを作成し、単一細胞が周辺へ放出するプロトン量についての電気計測を行う。また、SASP(老化関連液性因子)のサイトカイン(IL6,8)が正常細胞に与える影響についての実験を行うことを計画している。

次年度使用額が生じた理由

計測環境整備と共同研究先での実験ができなかったため。次年度において、実施予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Controlled creation and annihilation of isolated robust emergent magnetic monopole like charged vertices in square artificial spin ice2021

    • 著者名/発表者名
      Keswani Neeti、Lopes Ricardo J. C.、Nakajima Yoshikata、Singh Ranveer、Chauhan Neha、Som Tapobrata、Kumar D. Sakthi、Pereira Afranio R.、Das Pintu
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: 13593

    • DOI

      10.1038/s41598-021-92877-7

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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