本研究では中波AMラジオ放送波など常時配信されている中波帯電波を土中に埋めたアンテナで受信し、土壌の含水率を推定する方法を提案した。検討の結果、土中に埋設したアンテナによるAMラジオ波の受信電力はアンテナ周辺の土壌含水率と相関があることが明らかとなった。次にこの手法をシステム化するため、コイルをもとにアンテナを構成し、これを自営通信網であるLoRaWANに組み込み、フィールド試験を実施した。その結果ゲートウェイを中心に半径1~2kmの範囲で土壌含水量をデータを把握することができた。さらに含水土壌上を伝搬する中波の伝搬特性も解析し、伝搬特性を考慮した土壌含水量推定システムを構築することができた。
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