研究課題
2023年は,システム構築と並行して3月と10月に,晴海地区における道路舗装工事現場にて作業員にセンサー(加速度センサー,温湿度計,スマートフォンによるGPS機能起動)を装着し,同時に作業状況の動画撮影(手作業によるワークサンプリング調査の代替)してデータの取得を行った。また,これらのデータは教師あり学習のサンプルとして保存され,教師データの作成作業(動画から手作業にて各作業員のワークサンプリングを実施し,これと自動取得された加速度・位置・温湿度情報を時系列上で統合して深層学習にかける作業)を実施した。併せて,分析アルゴリズムの再検討を行なった。これまでのアルゴリズムでは入力値としての3軸加速度・角加速度・角速度・位置の情報から直接動作区分(大区分3,小区分9)を直接判別することを試みていた。国内外の最新文献を網羅的に調査したところ,本研究で試みられているような複雑な動作をそのまま判別するような事例は報告されておらず,ほとんどの文献は「歩行」「静止」「座位」「立位」などの単純動作区分を試みるものや,事前に「歯磨き」「掃除」などの動作を作業者に指定したうえでどういった作業かを選択するといった内容であった。こういった動向を踏まえて,システム構築の方向性として「①加速度のみからの単純動作の判別」,「②単純動作の判別結果,作業員位置(現場内の位置や重機との相対位置,作業員相互の相対位置),時刻の組み合わせによる動作区分(大区分3,小区分9)の判別」という2段階での分析を行う形のシステム構築を行った。この結果として,単純動作分類の正解率は正答率80~92%となった。生産性動作分類については3区分の場合に73%,9区分の場合に64%となった。本研究で,学習から自動分類に至るシステム構築が完成し,今後のデータ取得と分類アルゴリズムの調整で正答率を向上することも期待できる。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
IOP Conference Series: Earth and Environmental Science, Volume 1195, 8th International Conference of EURO ASIA CIVIL ENGINEERING FORUM 2022 (EACEF-2022)
巻: 1195 ページ: -
10.1088/1755-1315/1195/1/012042