研究課題/領域番号 |
21K04222
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
大橋 智志 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (40509923)
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研究分担者 |
塩野谷 明 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (50187332)
原田 恵雨 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 助教 (70634905)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 車いす / 歩道 / 舗装 / 路面 / 振動 / 自動判別 / 深層学習 |
研究実績の概要 |
本格的な人口減少社会に突入した日本では,都市のコンパクト化(都市構造の集約化)により生活圏を一定範囲内に集中させ,徒歩での移動を想定した道路整備が進められている.しかし,車いす利用者にとっては,景観重視のための舗装材料の使用,沿道の車道整備状況を考慮した縦断・横断勾配の歩道路面等により,車いすでの走行が困難な歩道が数多く点在している.そして,歩道の効果的かつ効率的な調査,客観的データに基づく合理的な路面評価までは至っていない問題もある. 本研究の目的は,車いす走行時の観点から歩道路面の整備を実現するため,舗装種類別における車いすからの振動情報と搭乗者の身体負担情報を組み合わせた路面評価方法を確立することにある.本研究では,車いす,搭乗者,歩道路面から得られる各種センサデータに対し,深層学習による舗装種類の高精度な自動判別と搭乗者の身体負担を評価する. 歩道路面に使用される主な舗装の種類は,アスファルト系混合物,透水性アスファルト系混合物,コンクリート系,ブロック系等を想定している. 今年度,本研究ではテスト用路面として,アスファルト舗装,インターロッキング舗装の2種類に対して車いすを用いた走行実験を実施した.走行方法,手動による自走,介助者支援による走行の2種類とし,車いすに搭載した慣性センサから車いす走行時の振動を加速度データから算出するために定量的な収集に取り組んだ.収集した加速度データは周波数解析し,舗装の違いによるパワースペクトルの変化を確認した.スペクトラム画像からは走行中の時間変化に伴う振動状況の推移も確認できた. テスト実験の結果より,慣性センサ用いた振動検出と舗装路面の判別が有効なことを確認したため,次年度には歩道舗装の種類を増やし,定量的なデータ収集と深層学習による路面判別用学習用データセットの構築および自動判別に取り組む.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では,実験用歩道を整備を後に実験を実施する予定だったが,勤務先の異動,新型コロナウィルス感染拡大,舗装用の材料価格高騰等の要因により,実験用歩道整備を行うことができなかった. そのため,大学内の歩道を実験実施場所に変更し実験を実施したことから,当初の予定した舗装路面の種類のデータを収集することができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画で予定した実験用歩道整備が難しい状況となったため,大学敷地内に整備済みとなる歩道と地域の歩道を対象とすることに変更し,予定していた舗装種類の振動データを定量的に収集する. また,これらの振動データの定量的な収集と並行し,すでに保存した振動データを元に,歩道路面の自動判別処理を担う機械学習に必要なデータセットを構築し,舗装種類の自動判別精度を調査する.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画では,実験用歩道を整備を後に実験を実施する予定だったが,勤務先の異動,新型コロナウィルス感染拡大,舗装用の材料価格高騰等の要因により,実験用歩道整備を行うことができなかった. 本来は,今年度の予算執行にて実験用歩道整備整備を計上していたが,この予算の執行ができなかったために次年度の使用額が生じた. そのため,当初予定していた研究計画からの変更に伴い,次年度予算にて実験に必要となる物品費に振り替えて対応する予定である.
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