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2021 年度 実施状況報告書

老朽化橋梁における劣化損傷の実用的健全度診断法と点検業務効率化の提案

研究課題

研究課題/領域番号 21K04223
研究機関福島工業高等専門学校

研究代表者

江本 久雄  福島工業高等専門学校, 都市システム工学科, 准教授 (90556698)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード橋梁健全度評価 / 点検技術者養成 / Artificial Intelligence / MR-HMD / Augmented Reality
研究実績の概要

本研究の目標である地方自治体の橋梁長寿命化の対策として,次の3つを挙げている.(a)AIを用いた健全度評価,(b)没入感のあるMR-HMDによる講習会ツールの開発,(c)ARによる変状の表示による点検業務の効率化である.これらの研究実績状況についてそれぞれ報告する.(a)AIによる健全度評価では学習データが課題であることが分かった.そのため,点検者数が少ない場合でも矛盾のない健全度評価が得られるようにデータの拡張方法について研究を実施した.(b)MR-HMDによる講習会ツールでは,当初の予定通り学習のシナリオを作成し,基礎編,初級編,中級編,上級編と作成し基礎編から中級編までのシステムを作成し,アンケート調査を実施し,その有効性や課題についてまとめているところである.MR本ツールで利用するVRデータに関しては実在する橋梁から作成したものと,橋梁の標準設計図書から設計した仮想の橋梁モデルを作成した.仮想の橋梁モデルでは施工後の内部の様子(鉄筋の配置やPCケーブルなど)を再現することにより可視化を試みた.これはVRの特徴を見えないものを表示した.その結果,点検の初学者や設計,施工したことがない技術者においても理解することができた.(c)ARによる変状図の可視化に関しては,マーカ型による表示の実装をおこなった.より実用化を考慮して立体認識による可視化の表示に関して検討している.立体認識による表示では室内におけるペーパークラフト程度のサイズにおける模型実験では表示することが可能であることが分かった.また,当初予定していなかった変状図の修正なども可能とした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本申請書の研究計画に基づき実施しているところです.主に3つの項目を中心に取り組んでいます.概ね計画通りに進んでいます.ただし,(a)AIによる健全度評価においては,学習データの問題があり,新たに学習データの拡張に取り組みました.そのため,計画よりも遅れが生じていますが,本項目に関しては,AIによる評価を本年度取り組んでいく予定です.旧所属の研究者とも継続し研究しているので,十分に挽回できると考えています.

今後の研究の推進方策

私の大きな環境の変化として所属の変更がありますが,(a)の項目に関しては引き続き旧所属の研究者と取り組んでいます.(b),(c)の項目に関しては,新所属において研究者を募って取り組んで行くところです.もし,単独で研究を進捗していく場合でも概ねのシステムは完了しており,結果の評価やとりまとめの部分が多いため十分に作成や修正が可能と考えています.現状の研究成果をもとに新所属の環境においても研究ネットワークを開拓しより高レベルでの研究成果につなげる所存です.

次年度使用額が生じた理由

半導体不足により計算機等が入手できなかったため及びコロナ禍により出張が中止になったため次年度使用額が生じました.次年度においては,半導体不足の影響を受ける物品に関しては早期に発注を試みます.旅費や人件費に関しては,コロナの様子を見ながら適切な対策を実施しフィールドワークや調査を実施し執行予定です.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Development of the bridge inspection experience system with MR head-mounted display2021

    • 著者名/発表者名
      Y. Baba, H. Emoto, S. Tanikawa, H. Nakamura, K. Kawamura
    • 雑誌名

      Bridge Maintenance, Safety, Management, Life-Cycle Sustainability and Innovations

      巻: 2021 ページ: 256-263

    • DOI

      10.1201/9780429279119-31

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] MR-HMDを用いた若手橋梁点検技術者の教育支援システムに関する研究2021

    • 著者名/発表者名
      江本久雄, 谷川さくら, 小野香奈恵
    • 雑誌名

      福島工業高等専門学校紀要 61

      巻: 61 ページ: 31-39

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 橋梁カードを用いたARによる橋梁点検データの活用研究2021

    • 著者名/発表者名
      江本久雄, 小野智生
    • 雑誌名

      福島工業高等専門学校紀要 61

      巻: 61 ページ: 13-22

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] k近傍法によるコンクリートの打音判定の周波数領域と周波数解像度の感度分析2021

    • 著者名/発表者名
      飯高 優翔, 江本 久雄, 馬場 那仰
    • 雑誌名

      AI・データサイエンス論文集

      巻: 2 ページ: 733-740

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ARおよびVRによる橋梁点検者教育支援システムの研究開発2021

    • 著者名/発表者名
      江本久雄
    • 学会等名
      土木情報学シンポジウム講演集46

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公開日: 2022-12-28  

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