研究課題/領域番号 |
21K04230
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮森 保紀 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00363383)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | SfM / FEM / 点群 / 構造解析 / 維持管理 |
研究実績の概要 |
近年ではデジタルトランスフォーメーションの普及に伴い,土木構造物の維持管理に3次元データの活用が推進されている.3次元データについては,3次元点群モデルの利用が注目されている.3次元点群モデルはSfMによる画像からモデルを構築する方法と,レーザースキャナーでモデルを構築する方法がある.いずれも,構築された点群モデルから構造物の寸法や変状を簡易にかつ正確に捉えられるが,SfMはカメラで撮影した画像を用いることができるので,安価で軽量なシステムを構築することができ,将来の応用可能性が高い.一方,点群モデルには表面欠損のような外面的な情報しか得ることができないデメリットもある.本研究では,点群モデルをより維持管理に活用できるようにするのを目的としている.具体的には,点群モデルを構造物の応力や変位を定量的評価できるFEMモデルに変換するアルゴリズム開発してきた.今年度は,今まで課題とされてきた部材隅角部のリブ状の要素や,要素の欠損を解消するモデル化手法を開発した.また,軸方向のみならず,軸直角方向にも部材が交差する構造の点群モデルをFEMモデルに変換するアルゴリズムを開発した.一方,点群モデルのノイズがFEMモデルの精度に悪影響を与えているため,実橋梁を対象として,SfMを用いてノイズが少ない点群モデルを構築し,FEMモデルに変換することが課題である.また,点群から構築したFEMモデルについて,概ねの応力分布だけでなく,応力の精度についても改善が必要である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3次元形状を有する実構造物に適用可能なモデル化手法の開発を進め、部材の隅角部に生ずる偽の要素を解消することができた。また、複数の部材が交わる構造体にも適用可能な、部材をいったん材片に分割して、FEMの要素を生成させ、再度材片を連結して3次元形状を有するFEMも構築する手法の開発に成功した。このことから研究はおおむね順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
実橋梁を対象として,SfMを用いてノイズが少ない点群モデルを構築し,これまでに開発した手法を用いて点群モデルをFEMモデルに変換する.ノイズが少ない点群FEMモデルを構築するには,環境要因などを考慮し,撮影方法を綿密に計画する.また,点群から構築したFEMモデルについて,概ねの応力分布だけでなく,応力の精度についても検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により現地実験や情報収集旅費の支出がなかったため。次年度は旅行制限の緩和による現地実験、情報収集や成果発表による旅費の使用を見込む。
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