研究課題
超音波非破壊評価では,受信超音波の時間-振幅波形を用いて欠陥有無や欠陥の大きさや形状等を推定することとなる.近年では,この受信超音波の波形を比較的容易にかつ短時間で数多く取得できるようになってきた.本研究の目的は,そのようなデータに対し,デジタルツインの概念やAIを利用することで,非破壊評価を高度化する点にある.一般的に,AIを利用する場合,数多くの教師データを作成する必要がある.しかしながら,構造・材料における欠陥種別,欠陥の大きさ等は多様なため,実際の計測実験からAIに必要な教師データを大量に用意することは,経済的にも時間的にも難しい.そこで,本年度は,境界要素法や差分法等の数値シミュレーションで教師データを作成し,それらと実際の計測実験で得られたデータの両者を教師データとして,超音波非破壊評価用のAIを作成することを行った.ただし,数値シミュレーションで得られる結果は,機械ノイズ等を含まない,ばらつきのない純粋なデータであるため,単に計測実験で得られたデータに追加するだけでは,逆にAIの精度を低下させる原因となる.ここでは,数値シミュレーションで得られた結果を,さらにAIにより実際の計測データに近づける処理を施した上で,計測実験データと併せて教師データとした.この方法により,デジタルツイン上で再現する超音波伝搬シミュレーションも,実際の計測実験で得られる様相と同等とすることが可能となった.一方,デジタルツイン上での超音波シミュレーション結果を直接利用して,欠陥形状を再構成するための深層学習や,計測波形自体を時間反転させて,デジタルツイン上で再入射させる時間反転法についても,研究業績リストに示すように多くの成果を得ることができた.今後は,様々な状況下で,開発した手法が有効であることを,実証することが重要であると思われる.
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