溶接継手の疲労強度評価法としてホットスポット応力法に着目し,その精緻化が本研究の目的である.まず,板側面の溶接止端から生じる疲労き裂に対する適用性に関して,IIW-3点法(4-8-12mm法)を用いた場合,試験結果のばらつきは大きいが,JSSC-E等級にて安全側の評価が可能であることを示した.また,面外曲げの影響については,参照点での板表裏面の応力から膜応力成分と曲げ応力成分を求め,それぞれでホットスポット応力を算出し,ホットスポット応力の膜応力成分,曲げ応力成分とした.このうちの曲げ応力成分の補正を行うことで,曲げ混入によるホットスポット応力範囲のばらつきを抑えることができる可能性を示した.
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