研究課題/領域番号 |
21K04245
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
河又 洋介 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震減災実験研究部門, 主任研究員 (90740994)
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研究分担者 |
中澤 博志 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (20328561)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 杭の引抜き抵抗 / 液状化 / 津波耐力 |
研究成果の概要 |
2011年東北地方太平洋沖地震において,杭が引抜かれるように転倒した建物が報告されており,津波襲来時の杭の引抜き抵抗を評価して,必要に応じて補強することが重要である。 本研究では,小型模型実験を実施することにより,間隙水圧上昇中~完全液状化~間隙水圧消散後の各段階における杭の引抜き抵抗を評価した。 実験の結果,間隙水圧がある程度上昇しないと杭の引抜き抵抗は低下しないこと,完全液状化状態でも地震前の半分程度までしか引抜き抵抗が低下しないこと,間隙水圧が完全に消散しても地震前の引抜き抵抗まで戻らないことを明らかにした。これらの結果は,従来の考え方とは異なるものであり,更なる研究の必要性を示唆している。
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自由記述の分野 |
地盤工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
沿岸部の津波避難ビルが,地震により液状化する恐れのある地域に立地していることは珍しくない。地震発生後,数分から数十分以内に津波が襲来するため,地盤中の間隙水圧が残留している状態もしくは消散して間もない状態である可能性が高い。また,余震の影響で,津波襲来時に完全液状化状態にあることも考えられる。そのため,間隙水圧の上昇過程~完全液状化~間隙水圧消散後の各段階における,杭の引抜き抵抗を評価することにより,実際に津波が襲来したタイミングでの建物の津波耐力を推定することが不可欠となる。このような研究はこれまでにないものであり,本研究はその第一歩となりうるものである。
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