研究課題/領域番号 |
21K04259
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研究機関 | 足利大学 |
研究代表者 |
西村 友良 足利大学, 工学部, 教授 (00237736)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ベントナイト / 間隙圧 / 有効応力 / 高温 / 塩水 / ガス圧 |
研究実績の概要 |
2022年度研究計画に従い、塩化化合物耐腐食ステンレス材(SUS316)剛性特殊モールド準備作製を行った。また不飽和状態から飽和状態への過渡過程いわゆる浸水膨潤を浸水の種類を変えて行い、飽和化を実現した。浸水の種類はイオン交換水と塩水である。 水蒸気拡散および飽和度上昇によるベントナイト中の間隙圧を測定の予備試験では、不飽和状態から飽和過程において水蒸気拡散および飽和度上昇によるベントナイト中の間隙圧の相違が存在しないことが明白になった。同時に塩水により飽和化したベントナイト砂混合体とイオン交換水による飽和化したベントナイト砂混合体について、両者にも発生する間隙圧に相違が存在しないことも確認した。 毛細管圧力を考慮して、有効応力を定量化し、小峯らが提案してる有効拘束力と飽和膨潤ひずみの関係式の妥当性と改善点を提案する成果として、ベントナイト砂混合体は高サクションを有し、蒸気圧法およびベントナイト砂混合体内の土構造間隙部の湿度制御を行い、一軸圧縮強さや剛性係数を評価した。当初、有効応力の一応力変数のサクションが主体的な構成パラメータと示唆していた中で、乾燥密度が支配的な要因かつベントナイト砂混合体の水分保持曲線から得られる曲線勾配が定量的評価に関係付けられると考察した。 ベントナイト砂混合体の間隙圧発生メカニズムは、国外で振興的研究であるガス移行・ガス移動検証に密接に関係しており、2022年度に高温環境でのベントナイト砂混合体中の間隙圧測定に成功し、ベントナイト砂混合体の乾燥密度との関係性を定性的に把握した。試験準備段階で、高温下での間隙圧測定には間隙圧計の耐高温性仕様を用いたが、高温状況での間隙計の校正確認および高温状態での圧力供給との整合性検査の重要性を認識した。2022年度の研究成果は今後の研究拡大に大きく貢献した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績の概要で記載したように、2022年度研究計画に掲げた研究項目および研究試験のための装置などの配備が新型コロナ感染拡大の中でも、順調に進行しかつ計画した試験を遂行できた。また得られた成果は2023年度開催の国際会議や地盤工学会主催シンポジウム、令和5年度地盤工学研究発表会、令和5年度土木学会全国大会に成果発表する。国際会議においては、UNSAT2023、9thICEGE、IS-Porto2023、DECOVALEX2023である。
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今後の研究の推進方策 |
①熱的・化学的相互作用を踏まえ、熱的物性、水理的物性と高温・イオン濃度の影響要因の検討。②熱的・化学的相互作用を踏まえ力学特(ヤング係数、サクション依存性パラメータ、限界応力比、圧縮指数、膨潤指数)性を検証。③熱的・化学的相互作用を踏まえ先行圧密降伏応力を検証する。④CODE BRIGHTの支配方程式に導入可能な定量的結果を導く。⑤また、高温環境下でのベントナイト砂混合体の膨潤圧計測と成果。特に⑤国内において実績が見られない新規性が極めて高い研究である。
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