令和元年東日本台風により栃木県の中小河川の13河川27か所において決壊が発生し,蛇行河川では氾濫流が堤内地から河道側に戻る地点やその対岸の堤防で連鎖的に決壊が生じた様子も確認された.氾濫戻りが生じる地点の対岸流況に対して合流条件や地形的特徴,植生の影響を明らかにするために模型実験および数値解析を実施した.下流側開口部幅が狭いほど,開口部から早い流速で蛇行河道へと戻る流れが生じ,大きく曲がりながら開口部側に流れが向かうものの,対岸側にも流速の速い領域が広がること,また蛇行河道が狭いほど氾濫原へと流れる流量が増し,その流れが開口部へと集中し,開口部の対岸側に広く高流速域が形成されることを確認した.
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