研究課題/領域番号 |
21K04275
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
朝位 孝二 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70202570)
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研究分担者 |
西山 浩司 九州大学, 工学研究院, 助教 (20264070)
白水 元 東海大学, 建築都市学部, 特任助教 (60808210)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自己組織化マップ / 豪雨災害 / 前線系豪雨 / 台風系豪雨 |
研究実績の概要 |
本研究はSOMを用いて過去の多数の気象場を分類し,気象場と豪雨の特性を明らかにすることである.さらにそれを利用してMSMやGSMなどの数値予報の結果を用いて過去の豪災害をもたらした気象場との類似性から住民に注意を促すシステムを構築することを目的とする.本研究で得られた結果を大まかに述べる. NSEP気象データセットを用いて850hpaの高度における南北風速成分と可降水量を用いて暖候期における気象場パターンデータを構築した.これらを入力データとしてSOMにより気象場分類を行った.構築したSOMで南九州の豪雨について検討したところ台風による豪雨気象場はマップ上で比較的固まって分類されたが梅雨前線による豪雨気象場はマップ上で幅広く分類された.熊本県人吉地方に水害をもたらした令和2年7月豪雨と昭和40年7月豪雨の日時に対するマップ上の挙動を比較すると,両者は異なる挙動を示すが,豪雨が最も激しかった時間帯ではどちらも同じ気象パターンであったことがわかった.東シナ海領域を対象に,豪雨の発生時間帯の傾向を分析した.その結果,暖湿気流と前線を反映した気象場で,早朝を中心とした午前に豪雨発生確率と豪雨発生頻度が高くなる傾向が認められた.気象場パターンデータの構築にNSEPよりも空間解像度が細かいJRA55を用いてSOMを構築した.九州の一級河川流域における降水状況の関連について分析を行った.九州北部西側にある流域では前線系の豪雨が優位であり東側の流域は台風性の豪雨が優位である.また,佐賀県に豪雨を引き起こした令和3年8月14日の気象場を診断した結果,筑後川と六角川流域で豪雨リスクが高い気象場パターンであることがわかった. GSMやMSMのデータを自動入手し,84時間先の気象場がどのパターンに分類されるのかを自動的に表示するシステムを構築した.
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