本研究では, 流域治水に供する数値解析法の開発を目的に,流域の地表面流から地中流と河道や氾濫原での洪水流・氾濫流を一体的に取り扱うことで流域全体の雨水の挙動を把握する降雨流出・洪水氾濫一体解析モデルと,ベイズ推定法を用いた解析パラメータの効率的な最適化法を開発した.実験結果に基づき,降雨流出・洪水氾濫一体解析モデルの予測精度と最適化法の妥当性を示した後,令和2年7月豪雨時の球磨川流域へ適用し,同解析法が球磨川流域の実績最大浸水域,痕跡水位を概ね再現でき,球磨川流域の降雨流出・洪水氾濫現象と支川流域の水収支を把握できることを示した.
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