研究課題/領域番号 |
21K04292
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
朝香 智仁 日本大学, 生産工学部, 准教授 (60514164)
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研究分担者 |
野中 崇志 日本大学, 生産工学部, 教授 (20556336)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | InSAR / SBAS / ディープラーニング |
研究実績の概要 |
2022年度は、本研究の2年目として長大法面を対象とした現地調査を実施する予定であったが、2022年の航空法改正にともなう諸手続きの遅延の影響により、ドローンを使用した現地調査は実施できなかった。よって、2022年度は現地調査以外で実施できる内容のみ実施することとした。 衛星画像の解析に関しては、合成開口レーダ(SAR)を利用したInSAR解析から判読する長大法面の変位量から、地殻変動量を除き地表面の構造物の変位量のみを抽出するためのモデルを考案し、国際会議にてその成果を発表した。また、ALOS-2/PALSAR-2のSBAS(Small Baseline Subset)解析については、2021年度の観測データを新たに加えて解析をし、研究対象地域における新たな地盤変動量に関する知見を得ることができた。 AIによる画像解析に関しては、2021年度の現地調査時に観測したドローンの可視画像を利用し、ひび割れを検出する最適なディープラーニングの手法に関する研究を行った。物体検出の手法である、Faster-R-CNN、YOLO v2およびSSDの比較結果から、SSDが最も良好な結果を示すことを見出し、さらに教師データとして与える画像とひび割れの検出結果との関係性についても定量的に分析することができた。今年度の解析結果は、ディープラーニングによる画像解析に関する重要な知見となった。次年度は物体検出とは異なるディープラーニングの手法であるSemantic Segmentationによる解析ができるように準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年6月20日以降、無人航空機の登録が義務化され、登録されていない無人航空機(ドローン)を飛行させることはできなくなった。このため、大学で所有するドローンは全て国土交通省へ登録することとなり、2022年5月から書類等を準備し、大学側が一括して取りまとめた申請書類を国土交通省へ提出した。しかしながら、国土交通省よりドローンの登録決裁完了の通知が研究者側にあったのは、2023年2月3日と、2022年度の研究期間の終了間際となったため、ドローンを使用した現地調査は実施できなかった。この要因により、研究の進捗状況は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に実施できなかった現地調査を実施して当初計画に近づける方針である。特に、ドローンによる観測については法令を遵守する必要があるため、関係機関との調整を綿密に行い、少ない現地調査回数でも研究が進むように計画する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に国際会議の渡航費として計上していた旅費については、コロナ禍の影響によりオンライン参加になったこと、また、現地調査を当初計画どおりに実施できなかったことにより、使用計画と実支出額との差が生じた。2023年度は、現地調査に予算を使用する予定である。また、国際会議の渡航費として計上している旅費については、渡航が不可能となった場合には研究費の使途について再考する。
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備考 |
Journal of Evolving Space Activitiesへ論文を投稿しており、現在、査読結果待ちの状況である。
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