研究課題/領域番号 |
21K04315
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山下 尚之 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (90391614)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 薬剤耐性菌 / カルバペネム耐性腸内細菌 / 河川流域 / 下水処理場 |
研究実績の概要 |
本研究では,薬剤耐性菌の中でも最も重要な耐性菌の1つであると考えられるカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)に着目し,水環境中におけるCREの存在実態を明らかにするとともに,水環境中に存在するCREの耐性遺伝子解析および多剤耐性の評価を行う。また,CREの水環境中における動態を明らかにするとともに,CREの制御方法について考察を加えることを研究の目的とする。今年度は,以下の3つの項目について調査・検討を行った。 ① 河川流域におけるCREの存在実態把握:河川流域におけるCREの存在実態について調査を実施した。調査では,愛媛県内の重要河川である重信川を対象として,重信川本川および重信川に流入する支川について試料採取を行い,CREの存在実態の調査を行った。対象とする菌種は大腸菌および大腸菌群とし,カルバペネム系抗菌薬のイミペネムを用いて,河川流域におけるCREの存在実態を調べた。 ② 下水処理場におけるCREの存在実態と除去効果の把握:下水処理場におけるCREの存在実態について調査を実施した。下水処理場において各処理プロセス毎に試料採取を行い,CREの存在実態と下水処理過程でのCREの除去効果について調べた。また,下水処理場の試料からCREの単離株取得を試み,100株程度の単離株を得ることができた。合わせて,下水処理場における基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生大腸菌の存在実態についても調査を行い,CREの存在実態との比較を行った。 ③ 水環境中のCREに関する多剤耐性の評価:下水から得られたCREの単離株について,ペニシリン系,セフェム系,モノバクタム系,カルバペネム系といったβラクタム系抗菌薬を中心として,その他にテトラサイクリン系,ニューキノロン系,アミノグリコシド系などの抗菌薬に対する多剤耐性プロファイルを調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,薬剤耐性菌の中でも重要であると考えられるカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)に着目し,水環境中におけるCREの存在実態を明らかにするとともに,水環境中に存在するCREの耐性遺伝子解析および多剤耐性の評価を行う予定である。また,CREの水環境中における動態を明らかにするとともに,CREの制御方法について考察を加えることを研究の目的としている。現在までに,河川流域におけるCREの存在実態把握,下水処理場におけるCREの存在実態と除去効果の把握,水環境中のCREに関する多剤耐性の評価,について研究を実施し,河川流域や下水処理場でのCRE存在実態について,年間を通したデータ蓄積を行うとともに,実際の水環境からのCREの単離株取得とその多剤耐性プロファイルに関するデータを取得することができた。現状として,概ね予定通りの研究の進展が見られている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進方策としては,さらに水環境中に存在するCREの存在実態のデータを蓄積するとともに,水環境中に存在するCREの耐性遺伝子型解析やその制御方法に関する検討を行うことを目的として,次の内容について研究を実施する。 ①河川流域におけるCREの存在実態把握,②下水処理場におけるCREの存在実態と除去効果の把握,③水環境中におけるCREの耐性遺伝子型の解析,④水環境中のCREに関する多剤耐性の評価,といった項目について,さらにデータを蓄積する予定である。また,水環境中におけるCREの動態やCREの制御に関して知見を得ることを目的として,⑤水環境中におけるCREの動態解析,⑥水環境中に存在するCREの制御方法検討,についても研究を実施し,水環境中に存在するCREの制御等に関する基礎的知見を得る予定としている。
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