活発化している日本国内の火山活動による中部日本の大気環境への影響を評価するため、立山、乗鞍岳や小矢部市の山間部において大気観測を行った。山岳での観測と並行し、ヘリコプターを利用した上空大気の観測を行った。霧水中の化学成分は以前と比べ低濃度となる傾向がみられたが、暖候期に桜島由来と考えられる高濃度の二酸化硫黄やエアロゾル粒子が観測された。上空の過酸化水素は暖候期では二酸化硫黄より高濃度であった。 融雪期の立山における表層雪の化学成分を分析した結果、未ろ過で冷蔵保存中に硫酸が多量に生成され、火山由来の硫黄が硫酸へと酸化されたためと考えられた。また、粒子状水銀も濃縮されていることが明らかとなった。
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