研究実績の概要 |
本年度はaptamerを用いたDNA抽出不要の細菌検出技術の検討とSEM画像から細菌種を同定する技術の検討を行った。aptamerを用いたDNA抽出不要の細菌検出技術の検討では、大腸菌を特異的に検出できるP12-55アプタマーを用いて10^8~10^4 cell/mLまで段階希釈を行った大腸菌を定量的に検出することに成功した。これまでaptamerの洗浄方法に課題を抱えていたが、分子量ごとに区分できるフィルター濾過法を用いることで定量性を維持したままの検出が可能になった。またこの方法を使って大腸菌以外にBacillus属やStaphylococcus属を混入した系での特異的な検出、定量も可能であった。 またSEM画像から細菌種を同定する技術の検討では、Pseudomonas, Acinetobacter olevorans strain DR1,Acinetobacter tjernbergiae strain DSM 14971,Acinetobacter geminorum strain J00019の4種のSEM画像を収集し、教師データを3000枚ほど蓄積することで3者を区別して分類、同定することが可能であった。また用いた深層学習モデルについてもYOLOとAlexNetを用いた方法を検討し, 両者において正答率80%を超える高精度で区別できることを示した。
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