研究課題/領域番号 |
21K04339
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
高田 豊文 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (90242932)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 人工知能 / 機械学習 / トラス・トポロジー最適化 / 冗長性 |
研究実績の概要 |
機械学習の手法は,教師あり学習,教師なし学習,強化学習の3つに大別される.2021年度は,ベンチマーク問題や小規模なトラス・トポロジー最適化問題を対象として,①教師あり学習および②強化学習の適用を試みた.なお,機械学習では,学習過程で多くの計算が必要となり,一般のCPUをもつPCでは機械学習に非常に時間がかかる.そこで本年度は,GPU(画像処理装置)とSSDを搭載した大容量の計算機を導入し,機械学習の計算環境を構築した. ①教師あり学習では,入力データに対する正解(教師データ)を与えて,その規則性を計算機(人工ニューラルネットワーク;ANN)に学習させる必要がある.精度の高いANNを構築するためには大量の教師データが必要であり,2021年度は,申請者のこれまでのトラス・トポロジー最適化に関する研究成果を利用し,様々なグランドストラクチャ・荷重条件・支持条件の設計問題から,数理最適化法によって多数の最適解群を生成した.得られた教師データを用いて機械学習を行い,構築したANNを小規模な例題に適用した.その結果,教師データとして用いた入力値に対しては精度の良い最適解が得られるものの,教師データに含まれない入力値に対しては解の精度が落ちることを確認した. ②3種類のトラス・トポロジー最適化問題(寸法最適化,形状最適化,トポロジー最適化)を対象として,強化学習の適用を試み,①で得られた最適解(厳密解)と解析解を比較検証することで,強化学習の妥当性と適用可能性を考察した.いずれの問題においても,すべての検証解析で解析解と厳密解が一致する場合と,すべての検証解析のうちの最も良い解が厳密解と一致する場合があることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
世界的な半導体の供給不足の影響で,大容量の計算機の導入が遅れた.また,年度当初は,教師あり学習によるトラス・トポロジー最適化問題を目指していたが,既往の研究結果や,ベンチマーク問題・小規模なトラス・トポロジー最適化問題への試行解析の結果を踏まえると,本研究が対象としている冗長性を考慮したトラス・トポロジー最適化には,強化学習が有利であると考えた.したがって,強化学習を構造最適化に適用することへの妥当性や可能性を検証できたものの,現在の解析対象は小規模な2次元構造物に限られており,「やや遅れている」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の研究から,①過学習の影響によって,一部の条件に対して精度の良い解析解を得られる一方で,他の条件に対しては精度が悪くなる,②学習サンプルの効率が悪かったり,途中で局所解に陥ったりして,最適解を得るまでに解析時間がかかる場合がある,などの課題が明らかとなった.そこで,模倣学習の考え方なども参照して,これらの課題を解決し,解析対象の大規模化を目指す.模倣学習は,お手本を準備することでエージェントがそれに倣って学習するため学習効率が良いことが文献で示されている.これらの手法を用いることでモデルの精度の改善ができるのではないかと考えられる.また,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデルは,従来の手法と同程度の精度を得ながら計算時間の短縮が可能であるとされている.CNNモデルを用いたトラス・トポロジー最適化はこれまで行われておらず,本研究での導入を試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
端数のため,次年度と合算して使用.
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