本研究は,カーボンナノチューブ混和セメント系材料(CNTCM)への適用における圧電効果と導電特性のメカニズムを解明し,CNTの適切な混和量を特定することを目的としている。本研究の成果により,CNTCMの圧電センサとしての利用可能性を評価し,応力や力学的性能に関するセンサ性能の向上をはかることができる。 また,建築および土木分野におけるCNTCMの実用化を大きく進展させる可能性があり,CNTを利用したコンクリートのひび割れ低減や強度増進,構造物の自己診断および交通モニタリングのセンサとしての利用が期待される。これにより,インフラの長寿命化,安全性の向上,維持管理コストの削減の可能性が考えられる。
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