研究課題/領域番号 |
21K04346
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研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
堤 拓哉 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 建築研究本部 北方建築総合研究所, 課長 (40462345)
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研究分担者 |
山本 剛 都城工業高等専門学校, 建築学科, 准教授 (20240103)
千葉 隆弘 北海道科学大学, 工学部, 教授 (40423983)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 火山 / 建築物 / 積灰荷重 / 降雨 / 降雪 |
研究実績の概要 |
火山噴火が発生すると、火山周辺地の建築物には降下した火山灰による荷重(以下、積灰荷重)が作用する。噴火後に降雨が生じると火山灰が湿潤状態になり、建築物に作用する積灰荷重が増加する。加えて、積雪地の火山噴火では雪荷重と積灰荷重が同時に作用することも考えられる。日本国内では、活火山が多数存在するにも関らず、積灰荷重に係る研究例は極めて少ない。本研究は火山噴火に伴い建築物に作用する積灰荷重を評価するため、積灰荷重に及ぼす雨と雪の影響に関する知見を得ることを目的としている。研究項目は以下の3項目である。1)積灰荷重に及ぼす雨の影響に関するモデル実験、2)積灰荷重に及ぼす雪の影響に関するモデル実験、3)雨と雪の影響を考慮した積灰荷重の評価。2022年度は研究項目1)と2)に関し、以下の研究成果が得られた。 1)積灰荷重に及ぼす雨の影響に関するモデル実験では、火山灰と屋根試験体を用いて降灰後の降雨を模擬したモデル実験を行い、降雨による積灰荷重の変化に関するデータを取得した。今年度は、火山灰と降雨強度の違いが積灰荷重に及ぼす影響に関するデータを整備した。また、モデル実験を対象とした飽和/不飽和浸透流解析を行い、数値モデルによる実験結果の再現が可能であることが分かった。 2)積灰荷重に及ぼす雪の影響に関するモデル実験では、火山灰と屋根試験体を用いて降灰後の降雪を模擬したモデル実験を行い、雪による積灰荷重の変化に関するデータを取得した。今年度は、屋根勾配の違いが積灰荷重に及ぼす影響に関するデータを整備した。 引き続き、研究分担者と協力しながら実験データの整備を進め、実験データと数値解析に基づき、降雨と積雪の影響を考慮した積灰荷重の設定方法を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者と連携を図り、当初予定通りに実験や解析を実施するなど、概ね順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も引き続き、分担して実験および解析を実施し、積灰荷重の評価のためのデータ蓄積を行う。またオンライン会議等の活用により、情報共有を行いながら研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、代表者の所在地(北海道旭川市)、分担者の所在地(宮崎県都城市)にて実験をする際に、研究メンバーが集まり、実験立会および研究打ち合わせを実施する予定であったが、感染症まん延防止措置等のため、参集するための旅費の執行が出来なかった。また、関連学会の参加についても、オンライン開催であったため、旅費の執行が生じなかった。次年度使用額については、実験パターンを増やすなど研究成果を拡充するための経費に使用する予定である。
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