研究課題/領域番号 |
21K04357
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
木村 俊明 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (60816057)
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研究分担者 |
青木 孝義 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 教授 (10202467)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 構造最適化 / 鉄骨ラチスシェル屋根構造 / 下部構造 / 形状最適化 / 構造設計 |
研究実績の概要 |
本年は,接合部の標準化を考慮した自由曲面屋根の形状最適化法についてまとめた後,高耐震性能化を目的とした下部構造体の最適化と振動台実験の準備を行った。 接合部の標準化を考慮した自由曲面屋根の形状最適化法は昨年構築した内容から大きな変更はなく,査読付き論文誌に掲載が決定した。 次に,高耐震性能化を目的とした下部構造体の最適化については,構造体に配置されたブレースの有無を設計変数として,構造体の応答加速度・応答変位を最小化する多目的最適化手法を構築した。応答量は水平・鉛直共に考慮し,評価には応答スペクトル法を用いた。3D CAD(Rhinoceros)をベースにした最適化ツールを作成し,様々な平面形状を持つラチスシェル屋根構造物の数値解析を試行した。多目的最適化手法への拡張を図り,且つ3D CADと連動した設計ツールを構築したことにより,最適化に伴う振動性状や力学性能の変化を多角的に把握することが可能となった。今後は接合部の標準化を考慮した自由曲面屋根の形状最適化法と統合し高度化を図る。 最後に,振動台実験の準備では,まず設計条件を整理した。加振計画については対象構造物と試験体モデルの固有周期を算定し,地震波の圧縮を図ることとした。計測方法はモーションキャプチャを用いることとした。試験体については3Dプリンタを用いた接合部モデルを試作し,曲面屋根と支持構造体の部分モックアップを組み立てて,検証を行った。これらを基に試験体の作成方針を確定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
接合部の標準化を考慮した自由曲面屋根の形状最適化法について査読付き論文誌に掲載が決定した。地震応答低減を目的とした支持架構の最適設計法を構築し、設計ツールを作成した。振動台実験の加振,計測方法,自由形状のモックアップモデルの作成方針を決定した。
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今後の研究の推進方策 |
前年までに構築した最適化手法を統合し,高度化を図る。また,モックアップを作成し,振動台実験を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年に続き研究発表がオンラインとなった会議があったため,交通費がかからなかった。また,廉価でかつ少材料で振動台実験の製作検討ができたため,試験体検討費が想定より少ない金額で実行できた。本年は振動台実験の試験体製作費と対面の国際会議の渡航費用に割り当てる予定である。
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