研究課題/領域番号 |
21K04358
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
陶山 裕樹 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (20507876)
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研究分担者 |
秋吉 善忠 大分大学, 理工学部, 助教 (40713467)
保木 和明 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (70599026)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 気泡コンクリート / 短繊維補強 / 調合 / 応答曲面 / 原料コスト / 最適化問題 |
研究実績の概要 |
JonesとMcCarthyによって現場打ち可能な事前発泡型気泡コンクリートの構造体利用が提案されて以降、気泡コンクリートを対象とした論文発表の件数が世界的に増加している。しかしながら、導入空気量と強度との関係を除き、先行研究において調合が気泡コンクリートの物性に与える影響については必ずしも明らかにされていない。また、気泡コンクリートの調合を経済的観点から最適化した研究事例は見あたらない。2021年度の本研究では、低水セメント比領域の気泡コンクリートの基準調合を確立することを目的に、原料コストを最小化する調合を探索した。まず、実験計画法に基づいて得られた実験結果から、帰納的に圧縮強度に影響を与える調合上の因子を明らかにした。そのうえで、応答曲面を用いて目標とする9~39 MPaの圧縮強度および1.3~1.7 g/cm3の密度に応じて原料コストが最小となる気泡コンクリートの調合を探索した。 2021年度の検討範囲とした気泡コンクリートの調合領域:セメント水比3.3~3.9、空気量0.25~0.45(全体の体積比)、細骨材量0.375~0.525(固液中の体積比)、短繊維量0~0.6%(固液中の体積比)において、以下の知見を得た。 (1)圧縮強度は、空気量、細骨材量および短繊維量と負の相関関係にある一方、空気量が大きい領域においてはOPC/Wと負、空気量が小さい領域においては正の相関関係にある。 (2)空気量の増加は、密度の低減と同時に原料コストの低減にも寄与する。 (3)原料コストを最小化する調合は、OPC/Wを3.3(検討範囲の最小)、細骨材量を約0.40、短繊維量を0に固定し、目標強度に応じて空気量を調整することで達成できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
申請書に掲載した研究計画では、低水セメント比領域の事前発泡型気泡コンクリートの基準調合を提案することまでを2021年度内に発表することを予定していた。経済的観点から最適化された気泡コンクリートの調合条件を明らかにした研究成果を発表できたことに加え、低水セメント比で気泡コンクリートを製造する際の課題を発見して解決することもできた。当初の計画を上回る成果を得られたと考えられる。 当初予期していない結果として、水セメント比の低下が必ずしも圧縮強度の向上に寄与しなかった実験結果があげられる。この結果は、気泡コンクリートの要求性能によっては調合の変数を減らすため、製造プロセスにおいてはポジティブな要素だとみなせる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、2021年度の研究を通じて得られた気泡コンクリートの基準調合をベースに、事前発泡型気泡コンクリートの静弾性係数、曲げ強度、せん断強度、付着強度、密度、吸水率、乾燥収縮ひずみ、拘束収縮ひび割れ発生時期および促進中性化速度を明らかにし、事前発泡型気泡コンクリート独自の鉄筋補強の可能性を検討する。
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