• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

隙間なし天井の面内圧縮耐力と設計法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K04359
研究機関東海大学

研究代表者

山本 憲司  東海大学, 建築都市学部, 教授 (70311884)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード隙間なし天井 / 野縁受け / 吊りボルト / 座屈
研究実績の概要

隙間なし天井の吊りボルトによる座屈補剛効果を明らかにすることを目的として隙間なし天井の圧縮実験や数値解析を行った。本研究では特に野縁受け方向の座屈挙動を調査した。
本研究では野縁受けと石膏ボードがともに吊りボルト間で面外座屈する「吊りボルト間座屈」と、野縁間で野縁受けが面内座屈、石膏ボードが面外座屈する「野縁間座屈」の2つの崩壊モードを考慮して耐力式を提案しているが、昨年度までに実験を行なった試験体は両方の耐力の値がともに近い試験体となっており、耐力式の妥当性を示すことが出来ていなかった。そこで2つの耐力が比較的大きく離れた試験体を複数作成して実験を行った。その結果、いずれの試験体でも予測通りの座屈モードで崩壊し、耐力式の妥当性を確認することができた。
耐力式の修正を行った。吊りボルト間座屈は吊りボルトの軸剛性に対して連続的に耐力が変化するように直線補間を用いた式に変更した。また、野縁間座屈の耐力式は野縁受けと石膏ボードの座屈荷重の和としていたが、どちらかが座屈する時点を耐力とするように修正した。これにより実験結果との対応が改善された。野縁受けが開断面であるため曲げねじれ座屈を生じる可能性について検討し、その可能性は小さいことが分かった。
野縁間座屈については、野縁受けと石膏ボードをともに壁に接触させた場合と、石膏ボードのみを壁に接触させた場合の耐力について、それぞれ検討を行っている。ともに接触させた場合では、石膏ボードの慣性力は、野縁とクリップを通して、一部が野縁受けに伝達される。その大きさを解析により明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

吊りボルト間座屈と野縁間座屈の2つの耐力が離れた試験体となるように設計し直して再度実験を行った。このため、当初予定していた2023年度内に研究成果を査読論文にまとめることができなかった。

今後の研究の推進方策

耐力式では天井面の曲げ剛性を野縁受けと石膏ボードの曲げ剛性の単純和としているが、実験により実際にはこれよりも1.4倍ほど大きな曲げ剛性であることが分かっている。耐力式の精度を上げるために、天井面の曲げ剛性の評価方法について改善できないか検討を行う。
これまでの研究成果を査読論文にまとめて投稿する。

次年度使用額が生じた理由

査読論文の投稿が間に合わなかったため、次年度に論文投稿料を使用することにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 隙間なし天井における野縁受け方向の面内圧縮耐力2024

    • 著者名/発表者名
      許琳,山本憲司
    • 学会等名
      日本建築学会関東支部研究発表会
  • [学会発表] 隙間なし天井における野縁受け方向の面内圧縮耐力実験 その2石膏ボードの突き出しのある試験体2023

    • 著者名/発表者名
      許琳,土井龍之介,山本憲司
    • 学会等名
      日本建築学会大会
  • [学会発表] 隙間なし天井の野縁受け方向の面内圧縮耐力2023

    • 著者名/発表者名
      許琳,山本憲司
    • 学会等名
      シェルと空間構造に関する夏期セミナー2023

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi