研究実績の概要 |
堀(順天堂大学大学院)は、清水建設株式会社技術研究所と早稲田大学田辺らと連携し、エアロゾルが空間に拡散する様式をシミュレートする数値流体解析(CFD)に対して簡易パラメーターを開発し、飛沫核と飛沫による感染確率を予測する手法を開発し、従来法より演算にかかる時間を大幅に低減させつつも、予測値の分布範囲がほぼ同一の予測を得ることが可能になった。この成果は、国際英文誌 Indoor and Built Environmentに投稿した(4月28日にアクセプトの報告があった。来年度の実績として掲載予定)。またこのシミュレーション方法については、特許を出願している 尾方(都立大学)は、Kurabuchi、Tanabeらと共著で、SARS-CoV-2感染症対策のための空調・衛生設備の運用についてまとめ、レビュー論文を出版した(Kurabuchi T, Yanagi U, Ogata M, Otsuka M, Kagi N, Yamamoto Y, Hayashi M, Tanabe S.: Operation of air-conditioning and sanitary equipment for SARS-CoV-2 infectious disease control. Japan Architectural Review. 4(4): 608-620, 2021)(https://doi.org/10.1002/2475-8876.12238)。この内容は、国際的な文献検索をもとにしており、最新の新型コロナウイルス感染症に対する感染制御のエビデンス集とし注目を集めている。 田辺(早稲田大学)は、Morawska Lと他37人の著名な国際的研究者とともに、A paradigm shift to combat indoor respiratory infection: Science, 14th May, 2022(https://doi.org/10.1126/science.abg2025)に屋内における呼吸器感染症対策のパラダイムシフトが起こりつつあることに警鐘を鳴らした。
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