研究課題/領域番号 |
21K04386
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
宮本 征一 摂南大学, 理工学部, 教授 (80273316)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 環境履歴 / 閾値 / 温冷感 / 温熱的不快感 / アンケート調査 / 地域差 / 住まい方 |
研究実績の概要 |
日本建築学会の大会において『人体各部位の冷覚および温覚の閾値の測定方法に関する実験的研究』と題して、繰り返し連続して温冷覚閾値を測定する新たな測定方法を開発し、被験者13名の14部位において測定した。その結果、繰り返し与えられる温冷刺激の慣れの影響が少ないことと、既往研究と同様に、冷覚のほうが温覚より閾値が小さいことや四肢の部位の閾値が大きいことを明らかにした。 人間-生活環境系学会のシンポジウムにおいて『局所温冷刺激による温冷覚閾値の測定方法の違いによる温冷覚閾値の差異に関する研究』と題して、新しく開発した測定方法と従来の測定方法を用いて、被験者12名の4部位において測定した。その結果、本研究の温冷刺激程度の面積であれば、離散的に皮膚に存在する温冷点に高い再現性で同一の温冷刺激が与えられることが確認され、従来の測定方法との差は、被検者の平均値で1℃以下であったことを明らかにした。 2022年度の実施計画である温熱環境の履歴を把握する調査については、関西においてアンケート調査(個人属性・体質・住まい・過ごし方)を行い、約400名のデータを得ることができた。幼児期または現在の着衣や過ごし方が暑がり寒がりなどの体質に影響を与えていることを把握した。温冷覚閾値計を用いた被験者実験については、関西と沖縄で行うことができた。関西で生まれ育った群と沖縄で生まれ育った群では、温冷感覚に差異が見られたことを把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた5地方においてのアンケート調査ができなかったが、関西と沖縄において被験者実験を行うことができ、本研究で把握したいデータを収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
被験者実験を行う地域において、同時にアンケート調査を行うことにより、同質のデータを収集することができるように、研究計画を変更して進めていくこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者実験の消耗品などが予算を超えたが調査の旅費の使用が少なかったため、14万円程度の黒字となった。被験者実験と同時に調査を行うため、次年度においては繰越金を含めて使用する予定である。
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