札幌市の郊外住宅地における都市基盤整備の根幹的な仕組みである札幌市住区整備基本計画に関する総合的な論文を日本建築学会計画系論文集に発表した。この中で,当計画を半世紀に渡り運用してきた札幌市の市街化区域においては,スプロール状の開発区域はほとんど無く,道路,公園,学校といった基幹的施設が確保された計画的市街地が形成されたことを明らかにした。 また、札幌市における用途地域の指定意図を詳細に把握したうえで,建築物の立地動向を詳細に調査分析し,それぞれの用途地域の指定が都市構造を誘導する効果を挙げていることを明らかにし、日本建築学会技術報告集に発表した。 加えて,札幌市の人口減少傾向にある郊外市街地において,持続可能性の確保の一旦を担う地域コミュニティ組織である町内会が,どのように組織化され活動を展開しているかについて把握し、日本建築学会大会にて発表した。 区域区分制度に関連して、「市街化調整区域は、単に「市街化を抑制する」というものではなく、積極的に計画的土地利用を図る対象と捉える必要があり、その際の「計画的土地利用」とはどのようなものがあり得るのか。」また、「調整区域には、農と住の共生空間の先行事例を見出せるのではないか。」との観点から、全国の区域区分実施都市の調整区域への取組み状況を把握するとともに、福岡県糸島市の地区計画活用について情報収集を行った。これについては、さらに詳細な調査を進め学会論文として整理し投稿する予定である。
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