コンパクトシティ志向の重要な背景である中心市街地問題に着目し、一般にその要因とされる郊外型ショッピングモールの立地とは別に、概ね2000年以前までの市街化区域人口密度と中心市街地問題の発生に関係性があることを明らかにし、市街化区域人口密度を可能な限り高く維持することの重要性を示した。 次に、札幌の都市計画に関し、都市構造形成の実態を、計画、制度及び実態の3つの視点から把握、整理した。その結果、札幌では、戦後、コンパクトシティ形成の理念を一貫して維持し、そのための都市計画制度の運用を先駆的、計画的に図ってきており、その意図が全うされていることを明らかにした。
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