研究課題/領域番号 |
21K04403
|
研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
小笠原 正豊 東京電機大学, 未来科学部, 准教授 (00750390)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 設計者 / 施工者 / DfMA / BIM / 設計プロセス / PPVC |
研究実績の概要 |
R3年度はコロナ禍の影響により、国内・海外における実地調査を進めることができなかった。一方、文献調査やヒアリング調査では、戦後わが国における工業化住宅や自動車産業の発展が、海外のDfMAに対して一定の影響を与えている可能性があることが分かった。 DfMAのみならずOSC(Off Site Construction)、MIC(Modular Integrated Construction)といったキーワードを用いてインターネット検索を行い、DfMAに関連する60社程度を今後の調査対象候補として抽出した。英語による検索のためか北米が多く、欧州諸国がそれらに続いた。 R3年度には「仕様分類体系の国際比較に関する一考察」として日本建築学会計画系論文集に発表した。日本建築家協会発行の『Bulletin』にて「建築生産における協業を考える」と題した計4回の連載、および建築士連合会発行の『建築士』にて「建築というもの造りプロセスの東西併存の径を探る」としたインタビュー記事にて、設計者の役割について論じたが、これらはDfMAを前提とした場合の設計者の役割を論じるうえでの一つの基準となると考えている。 R2年度Journal of Asian Architecture and Building Engineering(0.384 (2019) Impact Factor)にて発表した日米英の設計組織の分業についての論文を通じて海外からの問い合わせを受けることがある。日本国内にとどまらず、広く海外に向けて発信することが、今後さらなる研究につながると考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R3年度はコロナ禍の影響により、もともと予定していた海外実地調査が実施できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、わが国におけるDfMAを前提とした設計のあり方について検討し将来像を提示することである。まずはじめに文献調査や海外実地調査をつうじて、DfMAの実情を正確に理解することが必須となる。現在はDfMA、OSC、MICといったキーワードのほかに、PPVC(Prefabricated Prefinished Volumetric Construction)の事例も収集中である。
一般的な建築物の設計として、アーキテクトやエンジニアといった専門職を中心として建築設計を進める手法は、英米からアジア諸国へと輸出されていった。一方で、DfMAを前提とした場合の設計がどのように進められているのかまでは、具体的な調査ができていない。R4年度は、R3年度に実行できなかった英国での調査、およびシンガポール・マレーシアでの調査を考えているが、海外渡航の自粛が続いた場合は、文献を主とした調査に切り替える予定である。国際情勢を見極めながら都度判断していきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
R3年度はコロナ禍により物品費・旅費・人件費とも使用しなかったため次年度使用額が生じた。R4年度も含め平準化して使用する予定である。
|