研究課題/領域番号 |
21K04410
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小澤 丈夫 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20399984)
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研究分担者 |
角 哲 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (90455105)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スイス / ドイツ語圏 / 景域 / ランドスケープ / 空間計画 |
研究実績の概要 |
本研究は、スイス連邦ドイツ語圏において、空間計画法が施行された1980年以降を主に、土地利用計画、地区詳細計画、交通インフラ整備、自然生態系の保存活用、農業政策、景域(Landschaft)計画を含む総合的な空間計画体系と空間デザイン手法の特徴的かつ優れた事例を抽出し、その背景、経緯、要因、特徴、課題を明らかにするものである。研究対象地は、チューリッヒ州、バーゼル=シュタット準州、ルツェルン州、アールガウ州とその主要市町村である。 当初は、研究初年度である2021年度に、下記の4つの課題a)~d)について、取得済みの文献調査と、WEB調査、第1回現地調査による詳細資料の追加収集を行い、大要を把握する予定としていた。 a) 連邦による空間計画法、州が策定する(土地利用)基本計画、州と市町村による地区詳細計画、交通インフラ整備、自然生態系の保存活用、農業政策、景域計画を抱合した空間計画と空間デザイン手法の理念と体系の全体像を把握 b) 州と市町村による空間計画と空間デザイン手法の先導的な事例抽出と特徴分析 c) 連邦、州、市町村の計画体制、専門職員の職能、運用実態、他自治体との連携方法 d) 空間計画と空間デザイン手法の事例分析対象地一帯の形成過程、諸制度と手法の新設や更新履歴との関係 しかしながら、2021年度は、世界的規模の新型コロナウイルス感染拡大が予想以上に長期化・深刻化し、欧州各国において厳しい入国制限、我が国では帰国後の隔離制度が施行されるなど、スイスへの渡航が現実的に可能な状況にはなかった。そこで、第1回現地調査を断念し、取得済みの文献調査と、WEBによって可能な情報収集と分析に集中した。具体的には、課題a)について、スイスドイツ語圏の複数の州を広く俯瞰・把握し、景域に関する計画体系の大要を理解した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記の通り、進捗の遅延は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、スイスでの円滑かつ安全な現地調査が実行できなかったことによる。また、感染拡大の状況下で、現地でのヒアリング調査の対象である行政機関や研究機関においても、初見の研究者からの対面での面談申し入れを受ける余裕がなかったことも理由にあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染拡大は、欧州各国では深刻化という点でやや落ち着きをみせ、入国制限は緩和されつつある。このため、2021年度に得た知見を基礎に、現地協力者と連絡をとりながら、遅れを取り戻すべく当初の研究計画に沿って調査準備を進める。調査が可能になる状況が整った時点で、速やかに現地調査を行い本研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
本調査は、スイスにおける現地調査を主とするものである。2021年度は、世界的規模の新型コロナウイルス感染拡大によって渡航ができなかったため、渡航費ならびに現地調査にあてたな経費を使用しなかった。残された研究期間に十分な成果を得るために、次年度にこれら経費を持ち越すことにした。
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