本研究では圧力増大燃焼の一つであるパルス燃焼をガスタービンに適用し,熱効率向上の実証に取り組んだ.はじめにパルス燃焼の条件を調査した.圧力増大を高めるためには,圧縮波を形成する火炎の加速が重要であることがわかり,燃料充填率や燃焼ガスのパージを調節することで最大で6.7%の圧力増大を達成した.次にパルス燃焼器を搭載したガスタービンの運転実験を行い,性能を調査した.パルス燃焼によりタービン入口圧力が上昇したことで定圧燃焼時よりも出力が増加することを確認した.ただし,燃焼ガスの脈動は出力変動の増加とタービンや圧縮機の効率低下も招き,熱効率を向上する点については新たな課題を生じることとなった.
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