本研究では宇宙機への使用を期待される亜酸化窒素の突発的な爆発現象の解明することで,重大インシデントの防止を狙うものである.亜酸化窒素は,高い蒸気圧を有しロケットエンジンの酸化剤に使用した場合,加圧機構が不要となるためシステムの簡素化が可能になる.そこで、亜酸化窒素とコンタミネーションとなり得る物質に対して熱エネルギーを与え,連鎖的な自己発熱分解反応の有無を調査した.炭化水素系では反応が見られるが,フッ素樹脂材料は自己発熱分解反応が無く,黒鉛材料では小粒径ほどに起こりやすく,材料内部への熱伝達の度合が反応に起因すると示唆された.また,ニトロ化が反応を促進している可能性を明らかにした.
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