研究課題/領域番号 |
21K04526
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高野 祐一 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40602959)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 数理最適化 / ポートフォリオ / 確率分布 / ノンパラメトリック推定 |
研究実績の概要 |
本年度は、リスク指標CVaR(Conditional Value-at-Risk)を考慮した銘柄数制約ポートフォリオ(資産配分)最適化問題に対する解法の研究と、出産・育児相談サイトを対象とした情報検索日の確率分布推定の研究に取り組んだ。 CVaRはリスク指標として理論的に優れた性質を有しており、資産の管理や取引に要する費用を削減するために銘柄数を制限してポートフォリオを構成することが望ましい。しかし、CVaRを精度良く推定するために多数のシナリオを考慮する必要があり、また銘柄数制約によりポートフォリオ最適化問題は組合せ最適化問題となるため、CVaRを用いた銘柄数制約ポートフォリオ最適化問題を厳密に解くことは困難である。本研究では、このポートフォリオ最適化問題に対する厳密解法として二重切除平面法を提案し、既存手法よりも大規模な問題を短時間で解くことに成功した。 妊娠から出産、育児にかけて多大な不安を抱える母親は多く、インターネットを利用した情報検索や質問回答サイトの活用は有効な情報収集の手段となっている。それゆえ、子供の出産日を起点として、所与の検索語を母親が検索する日(検索日)の確率分布を推定することができれば、情報推薦などの目的で有効に活用できる。本研究では、単峰型や二峰型の形状制約を課した確率分布のノンパラメトリック推定のための数理最適化モデルを提案した。実データと人工データを用いた数値実験の結果から、移動平均やカーネル推定と比較して提案手法の推定精度が優れていることを検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
銘柄数制約ポートフォリオ最適化(スパース推定)問題に対して、高性能の解法を考案することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、各種の次元縮約法に対して有効な最良スパース推定法の研究に取り組む。正準相関分析のスパース推定問題を対象として厳密解法を設計し、解法の対象の拡張と一般化を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
社会情勢に鑑み予定していた出張が取りやめとなったため、次年度の出張旅費として使用を計画している。
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