研究課題/領域番号 |
21K04533
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
森口 聡子 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (60407351)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 離散凸解析 / 離散凸関数 / 緩和法 / アルゴリズム / 最適化理論 |
研究実績の概要 |
本研究の大きな目標として,連続最適化と離散凸解析の融合により,最適化の理論とアルゴリズムの効率化の方法論を構築し,個別の実問題,応用先への成功にとどまらず,広く適用できるようにすることをまず掲げる.それを達成するための技術的なアプローチとして「離散凸緩和」を取り上げる.「離散凸解析」の理論は,連続と離散を繋ぐパラダイムとして,国際的に認知されており,さらに最近では,「離散中点凸性」など,離散凸解析の理論体系に基づく方法論が新しい離散関数のクラスへと展開されている. 今年度,従前の研究で扱われていた範囲より,さらに広い対象範囲での「離散凸性の利用」が期待できるようになった状況を受け,M凸関数,L凸関数,整凸関数,マルチモジュラ関数など,離散凸関数の理論研究において考察される種々の関数クラスに対して,それらの間の包含関係や,そのうちの2つのクラスの共通部分がどのようなものになるのかを網羅的に整理する研究を継続した.これによって,様々な分野の研究者が離散凸関数の概念を容易に理解できるようになると期待される. また,連続最適化との融合に貢献する,離散凸構造を不等式系で表現する多面体的表現にも取り組んだ.まず,上述の複数の離散凸構造の間の包含関係や,そのうちの2つのクラスの共通部分の理解に,多面体的表現は有用であった.多面体的表現により,整数計画の理論の応用やソルバーの利用がしやすくなるという今後の展開も開ける.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
種々の関数クラスの間の包含関係や,そのうちの2つのクラスの共通部分がどのようなものになるのかを網羅的に調べ,その研究成果を発表し,おおむね順調に研究が進展した.詳細な文献調査を行い,連続変数の場合と離散変数の場合の比較を行った.多面体表現に関する研究も進展している. 以上より,前年度に引き続き,海外での計画見直しが必要となったものの,総じて,現在までの進捗はほぼ予定通りであり,研究計画は順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,離散凸構造を有する色々な関数クラスの多面体表現について精査する.新しいクラスである離散中点凸関数に関連するアルゴリズムについては,重点をおいて研究とソフトウェア開発を進める.その都度,成果を学会や論文誌で発表していく. 効率性の観点からも,リモートでの推進も引き続き工夫する.
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次年度使用額が生じた理由 |
オープンアクセス費用に大きい支出があったが,学会のリモート開催継続により旅費支出がなかった. 引き続き理論面で精査すべき内容が生じたことから,次年度の文献調査費に充当し継続して研究を実施する.
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