研究課題/領域番号 |
21K04542
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
嶋田 陽一 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 助教 (90455501)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 航路 / 最適化 / 漁船 / 衛星 / 北太平洋 |
研究実績の概要 |
一部購入できなかったが、現在所有している夜間光衛星画像データから集魚灯漁船の位置を抽出し、集魚灯漁船が多く分布する海域を新たに見つけ出した。集魚灯漁船が多く分布する海域における海底地形、モデル計算で計算された流速場及び水温場と比較して、「集魚灯漁船の分布と流速場」及び「集魚灯漁船の分布と小規模な海山」の主に2つの関係性がある傾向を示す。一方、水温場は流速場よりも集魚灯漁船の分布との関係性は弱い傾向を示す。流速場と関係性がある集魚灯漁船の分布は時間空間変動が大きいが、小規模な海山と関係性がある集魚灯漁船の分布は時間空間変動が小さい傾向を示す。海底地形が流速場を制御する傾向であるので、遠くの海流が海山に近づくと集魚灯漁船は高い密度で分布する場合がある。今後は、夜間光衛星画像データから操業漁船の海域をより定量的に探索し、評価する手法を開発することによって、操業漁船の海域を探索する精度を高め、より広範囲の海域で解析を行う。 予算の都合より、広範囲の衛星AISデータを購入できなかったが、夜間光衛星画像データと概ね同じ海域及び一部重なる時期における1年間の衛星AISデータを購入することができた。衛星AISデータから船舶の位置等を抽出し、解析に利用できるデータセットを作成すことができた。衛星AISデータにもかかわらず、船舶の位置等がないデータは少なくなかった。現在、多量のデータから漁船を定量的に見つける手法を検討している。今後はさらに、夜間光衛星画像データからの操業漁船の海域(漁場と推察される)と衛星AISデータからの漁船分布を比較し、漁船の動向を調べる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
業者のデータシステムのトラブル等により、研究で利用する夜間光衛星画像データの一部を購入できなかったので、予定よりも解析期間が短くなった。次年度に夜間光衛星画像データを購入できる予定であるが、購入できない場合を想定し、現在利用できるデータを用いて研究目的を満たすことができるように解析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
気象機関が公開している気象・海洋・波浪モデルで計算されたデータを用いて、衛星AISデータで示された漁船に対する気象・海流・波浪の影響の特性を明らかにする。気象・海洋・波浪モデルで計算されたデータを用いて、衛星AIS及び夜間光衛星画像データで示された操業漁船分布に対する気象・海流・波浪及び海底地形の影響の時間・空間的特性を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
業者のデータシステムのトラブル等により、研究で利用する夜間光衛星画像データの一部を購入できなかったので、次年度に購入する予定である。また、衛星AISデータが高額であったために、範囲を狭くして購入した。衛星AISデータの解析結果より、注目できる海域に着目して一部購入する予定である。
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