研究課題/領域番号 |
21K04546
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
宮川 雅至 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50400627)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 都市工学 / 施設配置 / 階層構造 / 最適化 / 施設数 / 施設利用行動 / 施設閉鎖 / アクセシビリティ |
研究実績の概要 |
前年度に構築した施設の最適な階層構造を求めるためのモデルを道路網に応用し,格子状道路網と放射・環状道路網におけるロードプライシングの影響を分析した.具体的な研究成果は以下の通りである. 1.ロードプライシングが課金領域内の交通量と料金収入に及ぼす影響を分析した.格子状道路網を有する長方形都市と放射・環状道路網を有する円形都市において,課金領域内の交通量と料金収入を求め,課金領域の規模と料金水準が課金領域内の交通量と料金収入に及ぼす影響を分析した.また,課金領域を通過する交通と課金領域に流入する交通に課金するコードン課金と課金領域内のすべての交通に課金するエリア課金を比較し,エリア課金の方が交通量の減少と料金収入の確保のいずれにおいても優れていることを示した. 2.ロードプライシングが交通量の空間的分布に及ぼす影響を分析した.格子状道路網を有する長方形都市と放射・環状道路網を有する円形都市において,ロードプライシング導入前後の交通量の分布を求め,課金領域の規模と料金水準が交通量の空間的分布に及ぼす影響を分析した.特に,課金領域が大きくなるほど領域内の交通量が減少しにくくなること,料金が高くなるほど課金領域を迂回する交通によって領域境界部の交通量が増加することを示した. 以上の研究成果はロードプライシングの導入に関する意思決定に役立つなど,階層構造を持つ道路網の効率的な整備に資することが期待できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果をまとめた論文が査読付き学術誌に掲載されるなど,研究は計画通り進展している.
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに得られた施設の最適な階層構造の性質,特に,施設利用行動や各階層の施設配置が最適な施設数と最適解の下でのアクセス距離に与える影響を整理し,施設を効率的に整備するための指針を得る.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により出張を中止したためであり,次年度の資料収集・成果発表の旅費として使用する.
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