研究課題/領域番号 |
21K04565
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
田井 政行 琉球大学, 工学部, 准教授 (70646596)
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研究分担者 |
下里 哲弘 琉球大学, 工学部, 教授 (90452961)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 3次元モデル / 維持管理データ / 点検・診断技術者育成支援 |
研究実績の概要 |
道路構造物の維持管理において,5年に1度の近接目視による点検が義務付けられている.日本国内全ての橋梁に対して適切な点検・診断を行い,安全・安心を確保するためにも,優秀な点検・診断技術者の確保と効率的な点検・診断技術の確立が急務となっている.そこで本研究では,鋼橋を対象に効率的かつ効果的な維持管理データの蓄積と点検・診断技術者育成支援を行うきゅいくシミュレータの開発を目的とする. 本年度は,3Dイメージングレーザースキャナを用いた橋梁諸元データの収集と3次元モデルの構築に取り組んでいる.3Dイメージングレーザースキャナを用いることで,橋長や主桁高さなどの橋梁諸元データをある程度の精度で効率的を収集できることがわかった.しかしながら,狭隘部ではスキャナと測定対象物の距離によっては測定が困難な箇所があることが学人された.この場合は,スキャナの設置回数を増やして計測を行う必要があることが分かった.ただし,継手などの複雑な形状については,死角になる個所が多いため,十分に形状を捉えられなかった.また,実橋の架設環境によっては,スキャナを様々な角度に設置することが困難であるため,UAV等の活用の必要性も示唆された. また,計測したデータより作成した3次元モデルは,橋梁の3次元点群モデルを簡易に作成できることが示されたが,橋梁の損傷状態を確認するには十分な精度ではなく,損傷画像を別途記録し,モデル化する手法との組み合わせたが必要があることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨今の半導体不足により,3Dイメージングレーザースキャナの入手が遅れたこと,また,移動制限により現地調査などが行えず,モデル橋梁のでの計測のみを行っている状況であるため,橋梁形式や架設環境等の影響については検討が行えていない.したがってやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては,まずはモデル橋梁に対する計測課題の抽出を行い,今後予定している点検・診断教育シミュレータに活用する3次元橋梁モデルの構築を行う.具体的には以下を行う. (1) 3次元モデル作成のための適切なスキャナの設置位置や,狭隘部撮影時の課題抽出と対策について検討する. (2) 損傷個所の整理のための写真計測技術も活用した3次元モデル構築を試み,課題の抽出を行う. (3) (1)・(2)で作成した3次元モデルを点検・診断教育シミュレータに取り込み,技術者育成支援ツールを開発する.
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