研究課題/領域番号 |
21K04581
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター |
研究代表者 |
福田 良司 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 技術支援本部技術支援部実証試験技術グループ, 上席研究員 (60463030)
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研究分担者 |
金 大貴 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 研究開発本部物理応用技術部機械技術グループ, 研究員 (50847548)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 振動試験 / 加振台 / 振動特性 / 軽量化 / シミュレーション |
研究実績の概要 |
工業製品の信頼性確認のため古くから振動試験が行われているが,航空宇宙産業では使用環境を考慮して2,000Hz程度までの比較的高い周波数成分を含む振動を与えることが要求されている.また近年の自動車産業においては,電動化やCASEを志向した技術開発が進むにつれ,振動試験も高周波数化の流れがある. 振動試験の高周波数化を進める際にクリアしなければならない課題の一つとして,加振台の1次の固有振動数を上昇させる必要がある.この課題を解決する方法としては,加振台の高剛性化をあげることができるが,具体的には加振台の板厚を増やす,あるいは高密度の材料を使用するといった手段を採ることになる. まず1年目の研究成果として,はりを対象に軽量化と高剛性化を同時に実現する形状について検討した結果をD&D2022において発表した.成果を要約すると,断面形状を連続的に変化させる手法よりも,はりの一部を中空化する手法によって軽量化を図りつつ剛性を維持できる点について報告を行った.具体的には質量を33%削減したはりにおいて,1次の固有振動数を上昇させることができる形状を提案した. この成果を基に2年目は加振台(平板)の形状について,一様な断面形状を有する平板に対し,はりと同様に一部を中空化することによって,軽量かつ高剛性な平板を提案することを試みた.しかしながら,はりの中空化によって得られた軽量化の効果と比べて,平板端部の中空化による効果が小さい結果に留まっている.現在も引き続き平板の形状について検討を進めているところである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で述べたように,2年目は当初期待していたほどの成果が得られていない.素材の中空化を行うと軽量化が図れるのは当然であるが,剛性が思うように維持できていないため,当初設定した目標に対して遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終目標は,クラスタ制御による加振方法を前提として,加振台の4点加振を行う予定である.そこで,軽量かつ高剛性な平板の形状を早急に確定し,これを基にして4点加振を想定した境界条件での平板の設計と解析を進める予定である.またシミュレーションと並行して,実験用の平板の製作を進め,シミュレーションの妥当性を実験によって明らかにする予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では2年目に実験用のはり、または平板を製作する予定だったが,シミュレーションで期待していたほどの成果が得られなかったため,平板の製作を行わなかった.オーダーメード品を発注する予定のため,予算の執行が遅れている.今年度は,シミュレーションである程度の成果が得られ次第,平板の製作を行って妥当性を検証する予定であり,予算を着実に執行する予定である.
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