近年頻発する、激甚化した暴風雪で発生する吹きだまり発生リスクを正しく評価し、雪国の防災力を飛躍的に高めるため、本研究では、ドライブレコーダー等から得られる画像や位置情報などの簡易な計測結果と定量的画像解析に基づき高解像度の吹きだまり発生域データを得る新たな手法を開発する。さらに試験対象地域において、風向風速の変化に伴う吹きだまりの発生箇所や量の変化も考慮した高度な吹きだまりハザードマップ作成に応用するとともにこれらの成果を実証実験により検証し、暴風雪対策に資する実用的な吹きだまり対策手段を確立する。 積雪地域において発生する吹雪・吹きだまりは、交通インフラを著しく阻害するほか、車両スタックによる死亡事故の要因となるなど、経済的・人的損失の危険性が極めて高い現象である。特に吹きだまりは、小スケールの微地形の影響により発生域が時空間的に極端に変化するなど、発生域の予測や現況把握は現状では極めて困難である。以上を踏まえ、本研究では簡易な観測に基づく吹きだまりの画像解析手法を確立し、それにより高解像度の吹きだまりハザード情報を構築することを目的とする。当該年度においては、カメラ等を活用して取得された路肩の堆雪、吹きだまり状況の計測結果のほか、実際に観測された気象、吹きだまり発生状況の観測結果も活用し、実在地形上における吹きだまり発生個所の抽出、さらにはそれらの災害危険度情報に基づくハザードマップの作成を実施した。
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