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2022 年度 実施状況報告書

発災後1時期の光学衛星画像とAIを用いた土砂災害の自動検出と分類

研究課題

研究課題/領域番号 21K04606
研究機関千葉大学

研究代表者

劉 ウェン  千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (60733128)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード土砂災害 / 深層学習 / 衛星光学画像
研究実績の概要

本研究の目的は,深層学習というAI技術を用いて,発災後1時期の光学衛星画像から自動的に土砂災害を検出・分類することである。
本年度は2018年北海道胆振東部地震後に撮影したSPOT-7衛星画像を用いて,土砂崩壊箇所を検出する深層学習モデルを構築した.2018年10月4日に撮影した21km×20kmのパンシャープン画像(解像度1.5m/pixel)を192m×192mのメッシュに分割し,国土地理院が目視判読した土砂崩壊範囲を基づき,「崩壊あり」画像が5127枚,「崩壊なし」画像が2910枚に分類した.これらの画像を訓練データ,検証データ,テストデータと分け,モデルの学習と検証に用いた.
深層学習モデルVGG16をベースとしたモデルを構築し,訓練データを学習させて,検証データの損失関数が最も小さくなるモデルを選定した.テストデータに選定したモデルを適用し,90%崩壊あり画像が抽出され,正解率が92%であった.青・緑・赤の3バンドの画像データで構築したモデルと緑・赤・近赤外の3バンドの画像で構築したモデルを比較した.植生が強く反射する近赤外バンドを含めたデータセットで構築したモデルの精度が,可視光のみのモデルより2%以上高かった.植生の多い山間部では,近赤外バンドの有効性を示した.
また,2016年熊本地震前後南阿蘇村周辺のSPOT画像を購入し,熊本地震とその後の豪雨による土砂移動域のデータを整備した.多時期航空機レーザ計測データを入手し,標高変化から土砂移動域の特定を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度実施予定のモデル構築は,2018年北海道胆振東部地震の厚真町の土砂崩壊データで行った.地震後1時期の光学衛星画像のみで,判別精度が90%以上のモデルが作成できた.

今後の研究の推進方策

今後では,整備した広島県と熊本県の土砂崩壊データを用いて,北海道胆振東部地震で構築したモデルに適用し,精度の検証を行う.さらに,異なる災害のデータを混合し,自動検出モデルの改善を試みる予定である.

次年度使用額が生じた理由

購入予定であるワークステーションがまだ未購入のため,物品費に未使用額が生じた.また,コロナの影響で国外の学会に参加できず,旅費が予定より少なかった.
今年度は深層学習を行うためのワークステーションを購入する予定である.また,積極的に国際学会に参加し,対象地域への現地調査を行う予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 機械学習に基づく豪雨による土砂崩壊予測と説明可能AIによる分析2022

    • 著者名/発表者名
      桑折奎吾,劉ウェン,丸山喜久
    • 雑誌名

      土木学会AI・データサイエンス論文集

      巻: 3 ページ: 326-338

    • 査読あり
  • [学会発表] Extraction of landslides in the Mw7.1 2021 Off-Fukushima earthquake from ALOS-2 L-band SAR intensity images2022

    • 著者名/発表者名
      F. Yamazaki, W. Liu
    • 学会等名
      The 12th National Conference on Earthquake Engineering
    • 国際学会
  • [学会発表] 航空レーザ計測データを用いた2016年熊本地震と豪雨の複合災害による土砂移動域の検出2022

    • 著者名/発表者名
      劉ウェン, 丸山喜久, 山崎文雄
    • 学会等名
      日本地震工学会第17回年次大会

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公開日: 2023-12-25  

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